ソフトバンクは2026年4月21日、HAPS(成層圏通信プラットフォーム)などのNTN(非地上系ネットワーク)から地上の通信ネットワークへの電波干渉を低減する技術として、機体の旋回による位置や姿勢の変化に追従して特定方向への電波の放射を抑制する「動的ヌルフォーミング技術」を新たに開発し、上空と地上の基地局間における周波数共用の実証実験に成功したと発表した。
動的ヌルフォーミング技術は、飛行中の機体の位置や姿勢に応じてヌル方向を動的に制御する技術。上空基地局と通信を行う端末にはビームフォーミングにより集中的に電波を放射し、地上基地局の周辺には常にヌルを向けることで電波の干渉を低減する。動的なヌル方向の制御により、地上の通信ネットワークのスループット低下などの通信品質の劣化を抑えることで、上空と地上の基地局間の周波数共用を実現できるという。

動的ヌルフォーミングによる周波数共用の仕組み
実証では、HAPSを想定した軽飛行機に上空基地局を搭載し、1.7GHz帯の電波を放射して広域の通信サービスエリアを形成するとともに、車両に設置した地上基地局が同一の周波数帯の電波を利用する環境で、動的ヌルフォーミング技術の有効性を評価した。軽飛行機が高度約3000mで円旋回しながら飛行し、最大対地速度は時速200kmを超える環境下で、上空基地局と通信する端末A(上空基地局との距離約13km)を地上基地局と通信する端末Bの近くに配置し、動的ヌルフォーミング技術の有無による端末Bのスループットの変化を測定した。

実証実験のイメージ
結果、動的ヌルフォーミング技術を適用することで、地上基地局と通信する端末Bの平均スループットが約80%改善することを確認。また、機体の位置や姿勢が常に変化する状況においても電波干渉を低減できており、端末Bのスループットの安定性も向上したという。これにより、動的ヌルフォーミング技術を活用することで、地上の通信ネットワークの品質を大きく劣化させることなく、HAPSなどの上空基地局から広域な通信サービスの提供が可能となるとしている。













