「AIジョブ完了時間を約3割短縮」 シスコが新シリコン「G300」と「LPO」を投入へ

米シスコシステムズは2026年2月にアムステルダムで開催したイベント「Cisco Live 2026 Amsterdam」で、1.6T伝送をサポートする新シリコン「Cisco Silicon One G300」と、これをベースとしたデータセンター向けスイッチや光モジュールを発表した。その効果は、AIジョブ完了時間を約28%も短縮するほど大きなものになるという。消費電力削減に貢献する新技術「Linear Pluggable Optic(LPO) 」も含むその内容について、シスコ日本法人からの発表も含めてレポートする。

「大規模なGPUクラスターでは、ネットワークがボトルネックになりかねない。そんな中で、ネットワークを最適化できれば計算力を逆に加速していける。計算量がますます増大していく今後、私たちは、ネットワークがアクセラレーターになれないかということを狙っている」

2026年2月18日にシスコシステムズが実施した事業戦略説明会において、日本法人社長の濱田義之氏はAI対応データセンター向け製品についてそう述べた。追求するのは、伝送性能の向上と省エネ化の両立だ。これを実現するため、新開発の独自シリコンチップ「Cisco Silicon One G300」(以下、G300)をベースにした製品を市場投入する。

シスコシステムズ 代表執行役員社長の濱田義之氏

シスコシステムズ 代表執行役員社長の濱田義之氏

この説明会に先立つ2月9日から13日に、米シスコシステムズはプライベートイベント「Cisco Live 2026 Amsterdam」を開催。そこで発表したG300関連の内容をまとめたのが下の画像だ。1つめの目玉は、1チップで102.4Tbpsという伝送容量である。

2026年2月開催「Cisco Live」の発表内容

2026年2月開催「Cisco Live」で発表された
AI対応データセンター向けソリューション

GPU間のネットワーク利用効率を約33%改善

G300はポート単位で1.6TbE(テラビットイーサネット)をサポートし、総容量は102.4Tbps。大規模なAIクラスター向けに設計、開発されたシリコンチップだ。この伝送容量と合わせて、濱田氏が優位性として強調したのが「Intelligent Collective Networking」と呼ぶ独自技術である。

多数のGPUを接続して分散処理を行うGPUクラスター内の通信では、緻密な輻輳回避・制御、負荷分散が不可欠だ。遅延やパケットロスが発生するとGPU処理の待ち時間が増え、利用効率を大きく毀損することになるからである。

G300に搭載されるIntelligent Collective Networking技術は、「GPUと話し合いながら、データ伝送を調整して最適化する機能」(濱田氏)であり、非最適化状態と比べて、ネットワークの利用効率は約33%向上。その結果として、AI学習・推論にかかるジョブ完了時間が約28%短縮できるという。

Cisco Silicon One G300と、その搭載製品

Cisco Silicon One G300と、その搭載製品

このG300を搭載するデータセンタースイッチ「Cisco N9300」「Cisco 8133」は、空冷タイプと液冷タイプの2種類を2026年下期に出荷開始する予定だ。

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