ハードウェア売り切り型でライセンス不要──。
TP-Linkのネットワークソリューション「Omada」の最大の特徴はシンプルだ。「無償のクラウドサービスを使って遠隔地のネットワークを管理できる。これが競合他社との大きな違い」と語るのは、ティーピーリンクジャパン テクニカルサポートエンジニアの野口真氏だ。他社は有償ライセンスが必要なものが多く、この点で支持を集めているという。

ティーピーリンクジャパン テクニカルサポートエンジニア 野口真氏
遠隔管理の仕組みは次の通りだ。
ユーザーはLANスイッチ、Wi-Fiアクセスポイント(AP)、ルーターで各拠点のネットワークを構築。ローカル環境にOmadaクラウドベースコントローラー(ハードウェア型またはソフトウェア型を選択)を設置して「Omada Cloud」に登録すると、インターネット経由で遠隔からAP等の設定変更等ができる。操作はWebブラウザのほか、専用スマホアプリでも可能。トラブル発生時に「移動中でもすぐに対応できる」のが嬉しいポイントだ。
こう聞くと、コントローラーの故障時に通信が停止することを危惧する人もいるだろうが、心配無用だ。「トラフィックはAPで直接処理される“ブリッジ型”を採用しているため、通信は止まらない」(野口氏)
また、拠点にコントローラーを設置せず、クラウドで直接すべてのデバイスを管理するクラウド管理も選択可能だ。
要望の多い冗長化構成も可能に UI刷新でより直感的な操作
そして、特徴はライセンスフリーだけではない。TP-LinkはOmadaを進化させ、より多くのユーザーの声に応えようとしている。
2025年春には日本企業からの要望も多かった冗長化構成に対応。ホットスタンバイ方式の冗長化が可能になった。
そして、先ごろリリースしたOmada Controllerの新バージョン(V6)でも多くの機能改善・追加がなされた。
1つが、ZTP(ゼロタッチプロビジョニング)機能。従来はクラウド管理の「Omada Central」のみ対応していたZTPが、ハードウェア型/ソフトウェア型でも利用可能になった。
もう1つが、UIの刷新だ。「操作性の向上を目指して、より直感的に使えるように設計した」(野口氏)新ダッシュボードではクリック数の削減が図られ、設定項目・方法も整理された。さらに、ネットワーク構成を可視化するトポロジー表示も改善。従来は表示されなかったダウンデバイスの表示、VLANやSSIDを条件に必要な情報を表示する機能が追加されている。

新UIの画面例。クライアント情報の一覧表示から、少ないクリック数で情報を深堀りできる
セキュリティ確保のための機能が充実していることも見逃せない。IEEE802.1Xをベースとするエンタープライズ認証、1つのSSIDに対してユーザー/端末ごとにパスワードを設定するPPSK認証、ポータル認証(Web認証)をサポート。端末間通信を制限するゲストネットワーク機能や、端末ごとにアクセス先制限を細かく設定できるACL機能も備え、「多様な認証方式・機能をサポートしている」。
こうした運用管理だけでなく、Wi-Fi技術そのものへの対応もTP-Linkは素早い。他社に先駆けてリリースしたWi-Fi 7対応製品は、壁面取付型や壁埋込型などラインナップを拡充。そして、標準化が始まった次世代規格「Wi-Fi 8」に関しても、「基礎技術はほぼ固まっており、すでに試験を開始している」と野口氏。「認証が可能になる時期には製品を出せるように」準備を進めると意気込む。今後の動きにも注目だ。
<お問い合わせ先>
ティーピーリンクジャパン株式会社
E-Mail:sales.jp@tp-link.com
URL:https://www.omadanetworks.com/jp/











