「Mujinのロボット知能化技術とNTTの先進技術を組み合わせて、これまでロボット導入が難しかった領域にも自動化を推進する」
NTT 執行役員 研究開発マーケティング本部 アライアンス部門長の爪長美菜子氏は、2025年12月2日に開催した記者説明会でMujinとの資本業務提携の狙いをそう話した。

NTT 執行役員 研究開発マーケティング本部 アライアンス部門長の爪長美菜子氏
Mujinは、産業用機器/ロボットのオートメーションプラットフォームを手掛ける、2011年設立のスタートアップだ。「ロボットの共通OSを作っている会社」と、Mujinの共同創業者である滝野一征氏は話した。
同氏によれば、これまでの産業用ロボットは製造メーカーやロボットごとに制御ソフトウェアが異なるため、AIを活用した知能化が難しかった。一品ごとにプログラミングやAIトレーニングが必要だからだ。さらに、製造・物流現場に「ロボットが増えてくると、全体をどうまとめるのかが非常に重要になる」。ロボット制御のためのデータを収集するセンサーの数も格段に増え、複数ロボットの協調制御を実現しようとすれば、大量のセンサーデータを活用したリアルタイム制御が必要になる。難易度は格段に上がる。

Mujinの共同創業者 滝野一征氏
NTTとの協業で製造・物流業からターゲットを広げる
そこで出番となるのが、Mujinが開発・提供する共通OS「MujinOS」だ。
様々な種類のロボットにこの共通OSを実装し、「Mujinコントローラ」で統合制御を可能にする。同社のこのプラットフォームの稼働実績は、国内外ですでに2000を超えるという。顧客企業にはトヨタ自動車、花王、キヤノンといった製造業のほか、イオン、カインズ、アスクル、ニチレイ、ユニクロなどが名を連ねる。

ベンダーフリーのロボット制御プラットフォーム「MujinOS」
これまで主に製造・物流業界で実績を作ってきたMujinと、NTT・NTTドコモビジネスが協業する目的は、冒頭の通り、他の幅広い領域へとターゲットと広げることだ。爪長氏は、「ロボットを賢くするには多くのデータが必要だ。NTTは、今後ロボットが組み込まれていく領域でビジネスを展開しており、そこで収集しているデータが有用になると考えている」と話した。









