ITRは2012年11月28日、モバイルデバイス向け文書管理市場の市場規模とベンダーシェアを発表した。
これによると、2011年度の国内モバイルデバイス向け文書管理市場は、前年度比10倍の3億2000万円に拡大した。インフォテリアやNRIネットコムなどの先行ベンダーが大きく売上を伸ばしたほか、ペーパーレス会議向けに特化した新規参入ベンダーなどの増加も急成長の要因として挙げられるという。今後も同市場は順調に成長し、「2012年度の市場規模は倍増する」とITRでは予測している。
ベンダーシェアについては、インフォテリアが21.9%で首位。2位は15.6%のエージェンテックで、トップに肉薄する勢いを見せているという。
ITRの舘野真人シニア・アナリストは、「モバイルデバイスの業務活用において、ビジネス文書の活用に対するニーズは極めて高く、とりわけタブレット端末に関してはその傾向が顕著である。また、国内企業においては、紙ベースで行ってきた業務を電子化するための手段としてタブレット端末に期待をかける向きが少なくない。そうしたペーパーレス化に向けた環境を低コストで整備するための手段として、モバイルデバイスに特化した文書管理システムが強く求められている。今後も、デバイスの普及と歩調を合わせるかたちで市場規模は拡大するだろう」と述べている。
モバイルデバイス向け文書管理市場ベンダーシェア(2011年度・出荷金額ベース) |