ノキア フェロー 特別研究員 ハリー・ホルマ―氏
「日本のモバイルネットワークは素晴らしいが、グローバルなベンチマークと比較すると、まだ改善の余地がある」
ノキアは2025年10月8日、プライベートイベント「Amplify Japan 2025」を都内で開催。基調講演に登壇したノキア フェロー 特別研究員のハリー・ホルマー氏はこう指摘したうえで、「ノキアは日本のパートナーと協力し、日本の通信事業者が5Gのメリットを完全に享受できるように取り組んでいく」と述べた。
ホルマ氏ーが紹介したGDP上位20カ国の5Gネットワーク調査の結果によると、韓国のように5Gのデータレートが500Mbpsを超える国がある一方で、日本は200Mbps以下の20カ国中18位のポジションに甘んじている。
GDP上位20カ国中、日本の5Gネットワークのデータレートは18位
日本の5G整備が遅れてきた理由の1つは、投資に見合った収益が見込みづらかったことにある。では、海外はどうか。ホルマー氏は5Gの収益化の一例として、FWA(固定無線アクセス)を挙げた。
「急速に成長している市場だ。例えば米国におけるFWA加入者数は現在約1400万。通信事業者の収益も増加しており、年間50億ドル以上の追加収益が見込まれている」
「急成長している」というFWA
ただ、課題もある。「FWA加入者の多くがヘビーユーザーで、FWAがトラフィックの半分をすでに占めている」ことだ。そして、これが「5Gネットワークをより効率化できないかと、通信事業者が考える理由の1つになっている」が、5Gを高効率化するには「アーキテクチャの変更が必要」とホルマー氏。
ノキアのソリューションを採用する通信事業者からのフィードバックでは、5Gの収益を最大化するために有効なアーキテクチャ変更の1位は「5G SA(スタンドアローン)」だったという。