アンリツは2025年8月27日、米Microwave Vision Group(MVG)と共同で、衛星経由で通信する非地上系ネットワーク(NTN)対応端末を対象にしたOTA(Over-The-Air)測定ソリューションを構築し、提供を開始したことを発表した。
ソリューションのイメージ
同ソリューションは、MVGのマルチプローブOTAシステムに、アンリツの通信性能測定器「MT8821C」を組み込んで構成。これにより、3GPP要件に準拠した衛星通信環境を再現し、総合放射電力(TRP)、総合等方受信感度(TIS)、受信感度などの評価が可能となる。スマートフォンやIoT機器の性能を、実環境に近い形で評価できるという。
NTN端末は、地上ネットワークとは異なり、衛星移動によるドップラーシフトや伝搬遅延、衛星と地上ネットワークの切替制御、国境を越えたローミングといった課題に直面する。これらを実験室で正確に再現できる同ソリューションは、フィールド試験への依存を減らし、開発サイクルを短縮する効果が期待される。
同ソリューションは、グローバル資産追跡や遠隔監視、産業用IoTなど、NTNネットワークの拡大が見込まれる分野での活用が期待される。さらに、SkyloのIoT衛星など商用NTNサービスの仕様にも対応し、実用化に向けた検証を支援する。