台湾の端末メーカーAsiaRFは2025年8月21日、USBポートに接続することでWi-Fi HaLowネットワークを利用できる「HaLowFly USBカード」を発表した。PCやスマートフォンなどの既存端末のUSBポートに接続すれば、ドライバーや複雑な設定不要で、Wi-Fi HaLowが利用可能となる点が特徴だ。
日本では2023年に実用化が始まったWi-Fi HaLowは長距離通信に強く、IoT分野での普及が期待されているが、対応端末が限られていた。USB型のアダプターが登場することで、既存機器を活用した実証や導入が容易になる可能性がある。
HaLowFly USBカードはWindows、Linux、macOS、iOS、Androidなど主要OSに対応し、クロスプラットフォームでの利用が可能。Wi-Fi HaLowの数kmに及ぶカバレッジを生かし、データ通信だけでなく音声や映像ストリーミングにも利用できるという。
内部には産業グレードの無線モジュールを搭載し、低消費電力と安定性を重視。筐体は高い耐久性を持ち、粉塵や高湿度などの環境でも動作するとのことだ。オプションで外部アンテナを接続することも可能で、農業、工場の自動化、都市監視、災害対応といった分野での活用が想定されている。
価格は139米ドルで、先行予約では99米ドルが提示されている。AsiaRFは今後、日本市場でもWi-Fi HaLow推進団体のAHPCと協力し、普及拡大に取り組む姿勢を示している。