日本初の“920MHz帯”Z-Wave登場――岩通とIDECがLED照明調光システムを商品化

今年7月25日に920MHz帯が近距離無線通信向けに開放されたが、この920MHz帯を利用する日本初のZ-Wave対応ソリューションを岩崎通信機とIDECが発売する。工事費が従来より30%削減できるという「LED照明調光システム」だ。

岩崎通信機とIDECは2012年9月4日、近距離無線技術「Z-Wave」を活用したLED照明調光システムを共同開発、9月下旬に商品化すると発表した。

このLED照明調光システムの最大の特徴は、日本で初めて920MHz帯のZ-Waveを採用した点だ。電波再編にともない近距離無線通信向けに新たに割り当てられた920MHz帯は、今年7月25日から利用可能になったばかり。岩通 執行役員 ICT事業部環境ビジネス部長の島津泰氏は、「岩通は日本で最初に920MHz帯でZ-Waveモジュールの技術適合証明を取得した。本システムは920MHz帯で日本初のZ-Wave認証製品」と説明した。

Z-Waveの特徴
Z-Waveの特徴

島津氏によれば、920MHz帯Z-Waveの特徴は大きく4つあるという。まずは「電波特性」だ。従来、近距離無線ネットワークにはISMバンドの2.4GHz帯がよく利用されてきたが、920MHz帯は2.4GHz帯と比べて透過性や回り込み性に優れており、低消費電力で広範囲でのデータ通信が可能とのことだ。

2つめは「耐干渉性」である。2.4GHz帯は無線LANや電子レンジなど、さまざまな電波が飛び交う帯域。対して920MHz帯は近距離無線専用に割り当てられた帯域であり、干渉が少ない。

3つめは「相互接続性」だ。類似の無線通信規格であるZigBeeやBluetoothでは用途ごとにプロファイルが用意され、異なるプロファイルの機器同士では接続できないが、Z-Waveはそのようなことはない。また、Z-Waveアライアンスでの認証試験によっても相互接続性が担保されているという。

そして最後の特徴として挙げられたのは「コスト」。日本ではまだ馴染みが薄いが、欧米では以前からZ-Waveは普及しており、低価格を実現できるとのことだ。なお、デンマークのZensys社とZ-Waveアライアンスが開発したZ-Waveはこれまで日本では周波数の関係から試験的な活用にとどまっており、920MHz帯開放を機に国内でも利用が本格化すると期待されている。

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