Wi-Fi Allianceは2012年6月26日、都内で会見を開き、公衆無線LANへシームレスに接続できる認定プログラム「Wi-Fi CERTIFIED Passpoint」の提供を開始したことを発表した。Passpointは、WPA2のエンタープライズレベルのセキュリティを保ちながら、スマートフォンやタブレットを公共Wi-Fiスポットへ自動的に接続する機能だ。

Wi-Fi Allianceは、無線LAN規格であるIEEE 802.11規格群を推進し、相互運用性を保証するための業界団体。500社近くのサービスプロバイダーとベンダーで構成され、無線LAN製品の普及促進を図ることを目的としている。

Wi-Fi Allianceは大手サービスプロバイダーとベンダーで組織されている

Wi-Fi CERTIFIED Passpointの機能概要は、概ね以下の通りだ。

（1）ネットワークの検出と選択
デバイスがネットワークを検出し、ネットワークの利用可能性等に基づいて接続先のネットワークが自動で選択される（IEEE 802.11uをベースとする）

（2）シームレスなネットワークアクセス
・ネットワーク内APへのWi-Fiホットスポットアクセスに、ユーザー側からの選択や入力が不要になる。
・デバイスからネットワークへのアクセスは、複数のタイプのIDに基づいて自動認証される。SIMベースの認証に加え、ユーザー名/パスワードの組み合わせ、認証IDなどをサポートする。

（3）WPA2-Enterpriseセキュリティ
すべてのPasspoint接続の認証と接続性は、WPA2のエンタープライズレベルのセキュリティが自動的に有効化され、安全性が確保される。

（4）プロバイダー間のローミング協定をサポート
Passpoint認定プログラム開始により、プロバイダーはPasspointを基盤にWi-Fiローミング協定を急速に拡張できる。

今後、認定製品を順次リリース予定だ

機能概要を説明したWi-Fi Alliance マーケティング ディレクタのケリー・デイヴィス フェルナー氏によれば、日本では「我々は無線LAN環境構築において、シームレスなコネクティビティ（接続性）を最も重要な要素だと捉えている。今後は世界的なWi-Fi接続への需要に応えていくという我々の役割を果たす」と語った。

Wi-Fi Alliance マーケティング ディレクタのケリー・デイヴィス フェルナー氏