台湾の大手NW機器メーカーが日本参入 ~アクトンテクノロジー会長に戦略を聞く

ネットワーク機器のODMベンダーで、グローバル市場でもトップクラスの台湾企業・アクトンテクノロジーが、自社ブランド「Edge-corE(エッジコア)」で日本市場に参入する。会長である黄安捷氏に戦略を聞いた。


――「アクトンテクノロジー」という社名は、日本ではまだあまり馴染みがありません。

 当社はODMメーカーとして、いわば黒子役ですから、日本の皆様に知られていないのは当然だと思います。スイッチ製品、ワイヤレス製品を中心に、約800億円の売上を計上しています。名前は伏せますが、企業向けネットワーク機器市場をご存知の方なら、誰でも知っている大手メーカーのスイッチ製品を大量に生産しています。

事業範囲は、IPベースのネットワークインフラ製品と決めており、データセンター用のスイッチ、キャリア用のメトロイーサネット、携帯電話基地局からのトラフィックオフロード機器、企業用のIPスイッチ、無線LANアクセスポイント、家庭用のSTBやワイヤレスアクセス機器など、分野は多岐にわたります。

最近では、ホームセキュリティやエコ/エネルギー分野、スマートシティ分野も手掛けています。

――スイッチ製品の自社ブランド「Edge-corE」を始める狙いは何ですか。

 ODMメーカーとして蓄えた技術力を、自らのブランド製品として提供し、企業ユーザーに利用していただき、評価していただきたいという思いがあります。

ファブレスではなく、自ら工場を持って生産していることの強みを発揮したいという狙いもあります。

――「Edge-corE」製品の特徴、強みは何ですか。

 まず、自ら開発・生産していることにより、フレキシビリティが非常に優れていることです。設計から製造まで一貫していますので、企業ユーザーのニーズにきちんと対応することができます。また、数多くの生産ラインを持ち、さらにテストセンターも持っていますので、そういった大型工場設備の機能を最大限生かした製品提供が可能になります。

2番目はコスト競争力です。量産していますし、当社自ら販売することによって、流通コストを下げることができます。パフォーマンスの高い製品を、安価で提供することができるのです。

月刊テレコミュニケーション2012年5月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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