ドイツ発のAI会議アシスタント「tl;dv」が日本本格参入 “3年後には国内150万ユーザー”

ミーティングの自動文字起こしや要約を提供するSaaS「tl;dv」が日本市場に本格進出する。Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどの複数のビデオ会議ツールを横断して利用できることや、AIが用途に応じた要約を生成することなどが強みだ。ローカライズを進め、3年後には国内で150万ユーザーを目指すという。

AIミーティングアシスタント「tl;dv(ティーエルディーヴィー)」を提供する独tldx Solutions GmbHが2025年4月18日、日本市場への正式参入を発表した。

tl;dv 共同創業者でCEOのラファエル・アルトシュタット氏(右)と、カントリーマネージャーの溝口宗太郎氏

tl;dv 共同創業者でCEOのラファエル・アルトシュタット氏(右)と、カントリーマネージャーの溝口宗太郎氏

tl;dvは、AIを活用して会議内容の文字起こしや要約を行うSaaS。チューリッヒ工科大学で数値モデリングを学んだ同社CEOのラファエル・アルトシュタット氏らが2020年に創業し、2022年4月にサービスを開始した。

サービス名のtl;dvとは、「too long; don’t view」を意味するという。長すぎる会議を「すべて記録、文書化し、組織の知恵とする」(アルトシュタット氏)ことが同社のミッションだ。

tl;dvの主な機能は4つにまとめられる。1つめは、多くのソースに対応したオンライン会議の文字起こしだ。

Zoom、Microsoft Teams、Google Meetなどの複数のビデオ会議ツールに、tl;dvがボットとして参加することで会議内容を取得する。カレンダーアプリと連携すれば、ボットを招待せずとも自動的に参加するという。Zoom Phoneなどのダイヤラーソフトや、音声ファイルのアップロードにも対応する。

文字起こし・要約は30以上の言語に対応

文字起こし・要約は30以上の言語に対応

文字起こしの精度も「90%以上」(アルトシュタット氏)と高いという。30以上の言語に対応し、翻訳も可能だ。社内用語などを用いたトレーニングで行うことで文字起こし精度をさらに向上させることもできるという。

2つめが、AIジェネレーターによる要約だ。商談や社内会議など、会議の種類や用途に応じたテンプレートを適用すると目的に応じた要約を生成する。テンプレートはプロンプトを入力して作成することもできる。また、複数のミーティングをまとめ、顧客ごと、プロジェクトといった観点ごとにサマリーを作成することも可能であり、過去の会議や、自分が不参加の会議でも内容を把握することが容易になるという。

溝口氏の実際の採用面接のビデオ会議を用いたデモ。「1 on 1 in Japanese」テンプレートをプロンプトで入力し作成

溝口氏の実際の採用面接のビデオ会議を用いたデモ。「1 on 1 in Japanese」テンプレートが会議内容に適用され要約された

溝口氏の実際の採用面接のビデオ会議を用いたデモ。入力した「1 on 1 in Japanese」テンプレート(写真上)が会議内容に適用され要約された(写真下)

3つめが外部アプリとの連携。HubSpotやSalesforceなどのCRMツールとの連携においては、ミーティングの要約が自動的にCRMツールへ取り込まれ、手作業での入力が不要だという。Jira、Trelloといったタスク管理ツールやSlack、Notionなど、連携可能なアプリは5000以上に上る。

4つめが会議内容の分析だ。会議の発言者の比率や単語数などを可視化できるほか、「AIコーチングハブ」機能を搭載する。これは営業スキル向上などに活用できるもので、顧客の購買意欲や適格性を測定するためのフレームワークである「BANT」や「MEDDIC」に加え、異論・反論への対応(オブジェクションハンドリング)といった実践的な基準にも基づいて会話内容を分析・評価する。これにより、より効果的な育成が可能になるという。

「AIコーチングハブ」機能で溝口氏の採用面接の内容を分析

「AIコーチングハブ」機能で溝口氏の採用面接の内容を分析

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