NTTコミュニケーションズ（NTT Com）とTXP Medicalは2024年10月23日、資本業務提携に関する契約を締結したことを発表した。2024年10月にNTT Comに対して、TXP Medicalが第三者割当増資により新株式を発行した。

2社の連携により、製薬企業などによる、複数医療機関データの安全かつ効率的な活用が可能になるという。

近年、創薬のターゲットは、がん、希少疾患などの未だ治療法が見つかっていない疾患を対象とした領域（アンメット・メディカル・ニーズ）へのシフトしている。この領域のデータ分析ニーズは高いが、要配慮個人情報であるこれらの医療データはプライバシー保護規則の厳罰化が進んでおり、取り扱いには一層の配慮が求められている。

そこで注目を集めているのが、秘密計算をはじめとするプライバシー強化技術（Privacy-enhancing technologies：PETs）だ。NTT Comが持つ秘密計算技術（データを秘匿化したまま分析を行い結果のみを出力する技術）や各種クラウドサービスと、TXP Medicalが利活用する医療データの標準化ノウハウ、900以上の臨床検査値項目や急性期の構造化データを含む臨床データ、専門医集団による医学的知見を組み合わせることで、セキュアで高付加価値なデータ分析サービスの提供に向けた連携を図る。プライバシーに配慮した安全で高付加価値なデータ分析が可能となるサービスを共同開発し、企業のデータ分析ニーズに応えるという。

具体的には、NTT Comが提供するヘルスケア業界向け社会産業プラットフォーム「Smart Data Platform for Healthcare」および秘密計算サービス「析秘」を用いて、TXP Medicalの提携医療機関の臨床データに基づく高付加価値な分析結果を製薬会社などに提供する「医療データサービス」を共同開発し、データ利活用促進を実現する。

また、両社間での人材交流やデータ利活用強化に向けたノウハウやスキルの共有を行い、両社の顧客に対して課題解決につながる提案を共同で実施する。