SPECIAL TOPIC世界初・ジッターレスローカル5Gで工場の“完全無人化”をたぐり寄せる

マグナ・ワイヤレスが親会社のエイビットから5G事業を移管されて1年以上が経ち、製品開発に加え、営業展開を本格化させている。ローカル5Gシステムは高い、無線でのTSN(Time-Sensitive Networking)はまだ先の話──そんな“常識”を覆し、検証機「AU-700シリーズ」や、5G半導体チップを通じて工場の完全無人化を実現させようとしている。

低価格で高性能なローカル5Gデバイスや、国産5Gチップの開発など、製品力に定評のあるエイビットの5G事業が、子会社であるマグナ・ワイヤレスに移管されたのは2023年6月。

「エイビットの5G事業部門のメンバーと財産と技術が、そのまま分社化しました」と、同社 取締役 COOで事業責任者を務める池田博樹氏は説明する。通信事業者や大手メーカーなどの顧客も引き継ぎ、全社員数は19名(うち技術者が15名)とコンパクトながら、大企業と直取引を行っている。エイビットが受託していた国や東京都の5G関連プロジェクトも承継し、同社が直接受託。“小さな巨人”と言うべき存在感を放っている。

マグナ・ワイヤレス 取締役 COO 事業責任者 池田博樹氏

マグナ・ワイヤレス 取締役 COO 事業責任者 池田博樹氏

エイビット時代から、同社はローカル5G市場の先駆者だ。2018年度にSub6帯で動作する5G評価システムを開発、2019年11月にはローカル5Gの実験局免許を取得し実験を重ねてきた。そして2020年5月には「AU-500シリーズ」を発売。日本で初めてSub6帯と5G SA方式をサポートした検証機だ。基地局と端末をセットで提供し、各企業がローカル5Gの免許を取得すればすぐに検証を始められるという利便性が好評を博した。このシリーズはバージョンアップを重ね2021年12月には「AU-650シリーズ」を発売し、工場のスマート化に向けたPoCに利用されている。

こうした取り組みの背景には、業界の特性や用途に応じた装置の開発が、ローカル5Gの普及に不可欠だという同社の考えがある。

そこで同社は前身のころから、工場や倉庫などのインダストリー領域をターゲットとした研究開発に取り組み、各企業の実証や導入のサポートも行ってきた。この先に見据えているのは、現場で多数のロボットが無線で稼働し、“完全無人化”する未来だ。

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