ソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏
主要31カ国を対象にしたある調査によれば、ビジネスにおける生成AIの活用率は平均75%ある。しかし、日本に限って見るとわずか32%で、ダントツの最下位だ。
ソフトバンクグループが開催しているイベント「Softbank World 2024」の基調講演に登壇したソフトバンク 代表取締役 社長執行役員 兼 CEOの宮川潤一氏はこのデータから「日本は周回遅れ」と断じたうえで、その理由について「AIとの向き合い方がそもそもの原因ではないか」と述べた。
「ビジネスにおける生成AIへの期待度に関して、日本は世界で唯一、積極的な人よりも不安を感じている人が多い国。つまり、世界で最もAIに消極的な国だ」
ビジネスにおける生成AIへの期待度
なぜ、日本はこれほど他国と異なるのか。宮川氏は様々なデータを紹介しながらその要因を推測。「経営層の感性の違いによって差が広がっている。改めるべきだ」と警鐘を鳴らした。
最も決定的な違いが「AIをどう捉えるか」だという。AI活用に積極的な先進企業は、AIを「競争力を強化するための武器」と捉える経営層・管理職層が多いのに対して、日本企業の多くは「単なる業務効率を上げるためのツール」としか捉えていない。宮川氏は、その差を示すデータも示してみせた。下の図表だ。
AI未活用企業とAI先進企業の違い
左は、アンケート調査で「AIを活用できていない」と回答した企業。AIで実現したいことについて、約4分の3が業務効率化としている。対して、AI活用ですでに成果を挙げている企業は、過半数が「価値創出の原動力として期待している。世界は、攻めのAI活用へと進化し始めた」(宮川氏)。