パロアルト、“モダンマルウェア”による標的型攻撃を防ぐ「WildFire」 ~ブランチ向け次世代FW「PA-200」も発表

パロアルトネットワークスが新製品発表会を行った。目玉は、日本でも政府機関や大企業での被害が相次いでいる「標的型攻撃」を防ぐ新機能「WildFire」だ。また、ブランチオフィス向けの次世代ファイアウォール「PA-200」の投入により、データセンターから支社/支店、さらにはリモートユーザーまでをカバーするラインナップがいよいよ整った。

次世代ファイアウォールベンダーのパロアルトネットワークスは2011年11月7日、3つの新製品を発表した。会見には今年8月にCEOに就任したばかりのマーク・マクローリン氏も出席。「パロアルトの顧客数は6000社近くになっている。また、過去5年間を振り返っても、毎年100%の成長を遂げている。我々の将来はとても明るく、日本のチームにもさらに投資していく」と述べた。

さて、今回発表された新製品であるが、まず同社のラインナップの中では最も小型となる、ブランチオフィス(支店)向けの次世代ファイアウォール「PA-200」(参考価格:41万4000円~)である。従来のローエンドである「PA-500」(参考価格:93万6000円~)は中~大規模の支社/支店向けだったから、これで本社/データセンターから小規模ブランチまでのラインナップが揃ったことになる。「PA-200は、UTMの激戦区であるSMB(中小企業)をターゲットにしたものではない。我々のターゲットは、エンタープライズ(大企業)のブランチオフィス。エンタープライズが社会的に求められるセキュリティを、支社・支店でも実現できる」と同社マーケティング部長の菅原継顕氏は話した。

PA-200の主要スペック
PA-200の主要スペック

PA-200のスペックだが、ファイアウォールスループットはアプリケーションの可視化を行った状態で100Mbps。脅威防御使用時とIPsec VPN使用時は50Mbpsとなっている。また、上位モデルと同様、データプレーンとコントロールプレーンが分離されたアーキテクチャを採用しており、高トラフィック時も迅速にレポートを作成できるという。具体的には、上位モデルのように独立したボードでの処理ではないものの、デュアルコアにより、別々のCPUでデータプレーンとコントロールプレーンのそれぞれを処理している。

Mac、iPad、iPhoneを新たにサポート

2つめの新製品は「GlobalProtect」の強化だ。GlobalProtectとは、自宅や外出先、ホテルなど、オフィスの外にいるリモートユーザーについても、次世代ファイアウォールのセキュリティポリシーを適用させられる機能(関連記事)。本社や支店などに設置されたPAシリーズのうち、そのリモートユーザーから最短距離にあるPAシリーズを経由してネットワークに接続する。

今回の機能強化の一番のポイントは、対応プラットフォームとして従来のWindows XP/Vista/7に加えて、Mac OS X、そしてiOS(iPhone/iPad)が追加されたことである。ただし、iOSについては現状、標準VPNクライアントを使ってのマニュアル接続になるという。このほか、VPNクライアントの「NetConnect」との一本化なども行われた。

新しいPA-200とGlobalProtectによって、「Web2.0アプリケーションが新たな脅威となっているなか、企業のネットワーク担当者はアプリケーションの可視性を確保する必要に迫られているが、パロアルトはデータセンターからリモートセンターまで網羅できるようになった」(マクローリン氏)。

本社/データセンターからブランチオフィス、リモートユーザーまでをカバー
本社/データセンターからブランチオフィス、リモートユーザーまでをカバー

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