日立システムズは2024年8月26日、神戸市水道局から受託した配水減圧弁(高水圧を一定の水圧に調整するための水道用機材)の水圧データ提供等業務において、「CYDEEN水インフラ監視サービス(水圧監視)」の運用開始から1年が経過したと発表した。
減圧弁水圧監視システムの概要
神戸市水道局は、これまで減圧弁の維持管理のために、現場に設置した水圧計のデータを定期的に回収する作業を実施してきた。また、減圧弁の障害発生については、市民からの通報などにより把握するケースが大半で、データ収集やトラブルの復旧作業などに時間を要し、効率化が求められていたという。
この課題を解決するため、同局は水圧監視システムを導入。同システムは、減圧弁の2次側(下流側)の記録計室や空気弁室に設置した水圧監視装置からセルラーLPWAを通じてクラウドに水圧データを収集し、遠隔でリアルタイムに水圧異常を監視することができるシステムである。神戸市水道局では、 Webページを通じてリアルタイムでの水圧確認を可能とするとともに、減圧弁の故障に起因する水圧異常が発生した際には、即時でデータを送信し、市内3拠点の管理事務所において、回転灯による警告動作により、異常発生にいち早く気づくことが可能なシステムを構築した。
記録計室に設置した水圧監視装置
同システムにより、水圧データがリアルタイムで収集できるようになったことで、これまでに人手により実施してきた水圧管理業務におけるデータの現場回収業務を省力化できるようになったという。さらに、減圧弁の障害発生時は、本システムが水圧異常を検知し、データ通信により即時に管理者に知らせることができるようになったとのこと。これにより、減圧弁の障害発生時の現場駆け付け、および復旧作業の早期実施が可能となり、安定給水や下流の給水装置の破損事故防止に貢献しているという。