IDC Japanは2011年10月4日、国内モバイルセキュリティ市場予測を発表した。これによると2010年の国内モバイルセキュリティ市場規模は23億円。また、2010~2015年の年間平均成長率は32.2%で、2015年に市場規模は93億円になる見通しだ。
IDCの定義するモバイルセキュリティ市場は、モバイルアイデンティティ/アクセス管理市場、モバイルセキュアコンテンツ/脅威管理市場、モバイルセキュリティ/脆弱性管理市場、その他モバイルセキュリティ市場から構成される。このうち最も売上構成比が大きいのは、ウイルスやスパム、ハッカー、不正侵入などを防御するモバイルセキュアコンテンツ/脅威管理市場で、市場規模は2010年の14億円から2015年には58億円になると予測している。
また、次に構成比が大きいのは、PKIやSSL証明書といった認証技術を提供するモバイルアイデンティティ/アクセス管理市場で、2010年の3億円から2015年には15億円になる見込みだ。
このようにモバイルセキュリティ市場は急激に成長していく一方で、IDC Japanでは多くのユーザー企業がスマートフォン活用に関するセキュリティポリシーを明確にしていないと指摘。同社リサーチマネージャーの登坂恒夫氏は「ユーザー企業は、早期に導入するためにも、スマートフォンなどのモバイルデバイスの活用について、早めに社内コンプライアンスに準拠したポリシーを明確にする必要があり、ベンダーはポリシー設計の段階から積極的に関わるべきである」とコメントしている。