富士通、既存光NW装置に追加しAPN実現する「1FINITY T250」

富士通は2024年5月28日、IOWN構想の実現に向けて、既存光ネットワーク装置に追加し、信頼性を向上させることができるディスアグリゲーション型光伝送ソリューション「FUJITSU Network 1FINITY T250」(以下1FINITY T250)を開発し、5月14日より提供を開始したことを発表した。

1FINITY T250は、遅延を制御する定量遅延技術と、光伝送装置のノード間をつなぐパスを無瞬断で切り替え可能な技術を搭載し、IOWNの中核技術である大容量・低遅延・低消費電力の「オールフォトニクス・ネットワーク(APN)」を実現するソリューション(参考記事:富士通が1波1.2Tbps光伝送を製品化、2023年度上期に提供開始へ|BUSINESS NETWORK)。

定量遅延技術は、光伝送装置のノード間をつなぐパスごとの遅延を測定し、パスごとの遅延差がゼロになるように遅延量を制御することにより、ネットワーク全体のレイテンシ(応答時間)を揃え、地理的要因により発生する時間ズレを解消する。離れた拠点間でのリモートコンサート、ゲーム対戦といったユースケースにおいて、公平性を担保することが可能という。

また、定量遅延技術は回線障害発生時にも応用できる。例えば、障害発生の際に瞬時にバックアップ回線に切り替えることで、回線の瞬断を防止し、高品質なネットワーク回線を維持できるとしている。

定量遅延技術が公平性を担保し、回線の瞬断を防止

光ネットワークの拠点間の遅延時間を測定しログ出力する機能も持つ。測定結果に基づき、1マイクロ秒単位でパスの遅延時間が制御可能という。

1FINITY T250の筐体はネットワーク機器のオープン化を前提にした1RUサイズであり。既存の伝送装置にOTU4インターフェースでダイレクトに接続が可能。光信号を送受信する利用中のトランスポンダのクライアントに接続することで、既存のネットワーク構成に無瞬断切り替え機能を容易に追加でき、ネットワークの信頼性を高められるということだ。

同ソリューションを用いて冗長回線を構成することで、自然災害による回線障害や、予測が難しい偶発的な機器故障のリスク、さらには道路工事などの外的要因による既存設備の移設作業の場合においても、回線障害をもたらすことなく自動で安定的な回線切り替えを行うことができ、APNによるサービスをより安心・安全に提供することが可能となるとしている。

 

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