SDVカーソリューションズ、スマートフォンを活用した低コストなテレマティクスサービスを発表

SDVカーソリューションズは2011年7月20日、スマートフォンを活用した法人向けテレマティクスサービスを開発したと発表した。

テレマティクスサービスとは、クルマの位置情報や速度、走行距離や燃費情報などの車両情報を、携帯電話網やインターネットで送信し、エコドライブや安全運転の推進、車両の運行管理などに活用するサービス。従来は車両情報の収集や送受信に専用の車載機を用いていたために高いコストがかかっていた。SDVカーソリューションズによれば、データの送受信にスマートフォンを活用することで圧倒的な低コストでテレマティクスサービスが実現できるという。

同社が今回発表した「次世代テレマティクスサービス」は、自動車のメインコンピュータから取得できる「OBD(On-Board Diagnostics)情報」を活用する。現在市場に流通している車両の大半には、車内の各種センサーから集められたOBD情報を取り出すための「OBDコネクタ」が備わっている。このOBD情報を、テクトムが開発した「OBDコネクタ用無線LANアダプタ」で取得し、無線LANでスマートフォンに送信。さらに位置情報なども加えて3G回線を経由してインターネット上のデータベースに送る仕組みだ(下図)。

図表:次世代テレマティクスサービスのシステム概要(出典:SDVカーソリューションズ)

従来は、車内データの取得とデータの送信を行うために、通信モジュールを内蔵した専用車載器が必要だったが、データの収集を低価格な「OBDコネクタ用無線LANアダプタ」で行い、データの送信に運転者が所有するスマートフォンを利用することで、導入費用の低コスト化が可能になる。また、車載器自体が通信を行う従来型のテレマティクスサービスでは、車両1台ごとに通信料が発生していたが、今回発表したサービスでは運転者のスマートフォンの定額データ通信料に集約できるため、ランニングコストの削減にもつながる。

スマートフォンにリアルタイムに表示されるエコドライブインジケータの画像イメージ。 複数の業務車両の運行状況や燃費情報等をセンターから一括管理できるWebアプリの提供も予定する(クリックして拡大)

具体的な機能としては、(1)車内のスマートフォンに燃費情報などをリアルタイムに表示して運転者のエコドライブを支援する「エコドライブインジケーター機能」や、(2)データベースに収集されたデータを、業務車両の管理者がインターネット経由で閲覧・分析できる機能などを提供する。2011年秋ごろに実証実験を実施し、有用性の検証を行った後、2011年度内を目処にサービスの開始を予定している。

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