マイクロセグメンテーションを掲げてゼロトラストプラットフォームを提供する米Illumio(以下、イルミオ)は2024年4月23日、東京都内で記者説明会を開催した。
イルミオは2013年に創業。日本では2021年11月に事業を開始した(参考記事)。同社 共同創業者兼CEOのアンドリュー・ルービン氏は、「1年前を振り返るとイルミオの日本におけるプレゼンスは小さかったが、現在は多くのリセラーとパートナーシップを提携している」と、着実に市場を広げていることを紹介した。
イルミオ 共同創業者兼CEOのアンドリュー・ルービン氏
同社は自社製品によるマイクロセグメンテーションを「ゼロトラストセグメンテーション」とも呼び、マルチクラウドからデータセンター、エンドポイント、ITやOTに至る領域全体に一貫してリスクの可視化、通信ポリシーの適用、攻撃の拡散の阻止を提供できるとしている。
2023年12月にはマクニカと代理店契約を結び、日本でも「多くの顧客が基幹系のインフラ保護に採用している」という。ルービン氏は、日本において「ランサムウェアの被害から顧客を守ること」と、「日本のビジネスを大きなものにすること」の2点にコミットしていると語り、事業拡大をより推進していく考えを示した。
ゼロトラストはデータ侵害を防ぐ戦略
続いて、同社 チーフエバンジェリストのジョン・キンダーバーグ氏が「ゼロトラストでサイバー戦争に打ち勝つ」と題してプレゼンテーションを行った。
イルミオ チーフエバンジェリストのジョン・キンダーバーグ氏
キンダーバーグ氏は、2010年に世界で初めて「ゼロトラスト」という概念を提唱した、「ゼロトラストのゴッドファーザー」(ルービン氏)だ。キンダーバーグ氏はゼロトラストという概念の重要性は世界各国で認識されているが、その理解にはかなりの混乱があることを指摘し、「ゼロトラストとは、データの侵害を止めることを目的とする戦略」とあらためて定義した。データが漏れて攻撃者の手に渡るのを防ぐことに、ゼロトラストの根幹がある。