NECは2024年1月30日、2023年度第3四半期(3Q)の決算説明会を開催した。3Qまでの累計の売上収益は前年度比5.5%増の2兆3933億円、調整後営業利益は同136億円増の970億円、Non-GAAP当期利益は同196億円増の547億円だった。
「3Qまで想定通り順調に推移しており、年間の業績予想に変更はない」と取締役 代表執行役 Corporate EVP 兼 CFOの藤川修氏は説明した。国内向けITサービスなどが好調だという。
2023年度3Q決算について説明するNEC 取締役 代表執行役 Corporate EVP 兼 CFOの藤川修氏
テレコムサービスについては、通期の業績予想を下方修正した。売上収益は従来予想比マイナス200億円の8140億円、調整後営業利益は同マイナス100億円の590億円とした。調整後営業利益は、下方修正後でも、前年度比ではプラス108億円となっている。
藤川氏によると、テレコムサービスの下方修正の一番の要因は、2023年5月に譲渡を発表したワイヤレスバックホール事業。「今回の下方修正の半分くらいは、そこから出ている」。加えて、少し高めに見ていた通信事業者向けのIT系なども従来予想に届かなかったという。
テレコムサービスの通期での業績予想は今回下方修正した
ただ、ワイヤレス事業については「一過性のもの」。また、「ネットワークの中心のところが落ちたわけではない」と話し、テレコムサービス市場の事業環境が悪化しているという見方は否定。収益性の改善に取り組んでいるグローバル5G事業も「問題なく進んでいる」という。