ユーザー企業の間でも注目が高まるiPadなどのタブレット端末。具体的に導入計画を進めている企業で多く見られるパターンの1つに、ノートPCからの置き換えがあるという。2000年代前半に導入された大量のWindows XP搭載ノートPCが更改のタイミングを迎えており、その後継としてタブレットを検討する企業が増えているのだそうだ。
その理由は、ノートPCからタブレットに置き換えることで、企業は大きく3つのメリットを享受できるから。住商情報システム・新規事業開発室クラウドビジネスチームリーダーの吉田柳太郎氏は「一石三鳥になる」と話す。
既存ノートPCの2~3割がiPadに!?
1つめのメリットは端末の購入コストだ。ノートPCは高い。安くても1台10万円、B5サイズのモバイルPCならば20万円はする。さらに、ソフトウェアの購入・更新も高額だ。翻ってタブレットは1台5万円程度で、アプリも安い。
もちろん、現在ノートPCを支給しているすべての社員がタブレットで十分ということはないだろう。ノートPCでないと業務に支障が出る場合には、今まで通りノートPCを支給するべきだ。しかし吉田氏によれば、実際に社員にヒアリング調査を行ってみると、タブレットで十分なケースが多いという。場合によっては、さらに性能面での制約が多いスマートフォンでも事足りる社員もいるはずだ。
大塚商会の丸山義夫氏(マーケティング本部プロダクトプロモーション部課長・IBMソフト担当・サイボウズ担当)は、「コスト削減効果に着目して、“使えていない”ノートPCをiPadに置き換える企業が多い。2~3割程度がiPadなどのタブレット端末に置き換わり、混在していくようになるだろう」と語る。