IDC Japanは2011年4月4日、国内クラウドサービス市場予測を発表した。
これによると、国内クラウドサービス市場は本格的な発展/拡大期を迎えており、2010年の市場規模は前年比45.3%増の454億円だった。今後についても、2011年をピークに前年比成長率こそは低下していくものの高い成長が持続し、2010~2015年の年会平均成長率は33.8%、2015年の市場規模は1947億円になると予測している。特にPaaS市場の伸びは著しく、2015年の国内PaaS市場規模は2010年の6.7倍に相当する699億円に達するという。
他方、ベンダー間の競合状況は激化しており、同社リサーチマネージャーの松本聡氏は「国内クラウドサービス市場では、ベンダー淘汰の嵐が訪れようとしている。ベンダーにとって、インフラストラクチャからアプリケーションまで全方位的な事業を有することは価値がある。しかし、短期的にはオープン性と低価格性を訴求したIaaSや、アプリケーション開発と運用/保守を様式化し生産性を高めたPaaSなど1つの分野でも圧倒的な競争優位性を持つことが、生き残りと成長に重要である」と分析している。
なお、この調査では、東日本大震災の影響は考慮されていない。
国内クラウドサービス市場 セグメント別売上額予測 |