ソフトバンクテレコム、日本初・世界7番目のVMware認定ハイブリッドクラウドサービスを7月から提供

ソフトバンクテレコムはVMwareと提携、日本初の認定サービスプロバイダーとして7月からハイブリッドクラウドサービスの提供を始める。

ソフトバンクテレコムとヴイエムウェアは2011年2月22日、ハイブリッドクラウド事業での提携を発表した。ソフトバンクテレコムは日本初、世界で7番目の「VMware vCloud Datacenter Services」認定サービスプロバイダーとして、ハイブリッドクラウドサービスを7月から提供する。

プライベートクラウドとパブリッククラウドのハイブリッド環境を提供するvCloud Datacenter
プライベートクラウドとパブリッククラウドのハイブリッド環境を提供するvCloud Datacenter

vCloud Datacenterは、オンプレミス(自社運用)のプライベートクラウドと、VMware認定プロバイダーが提供するパブリッククラウドの両方をシームレスに組み合わせて利用するためのサービスだ。既存のアプリケーションをプライベートクラウドとパブリッククラウドの双方に柔軟に展開できる。VMwareのポール・マリッツCEOは「アプリケーションの管理方法やセキュリティがパブリックとクラウドで違ってはいけない」とし、単にアプリケーションを両方に展開できるだけでなく、共通の管理機能とセキュリティの下でシームレスに使える点をvCloud Datacenterの特徴として強調した。

アプリケーションをプライベート/パブリッククラウドの双方に展開できるvCloud Datacenter。管理機能、セキュリティも両クラウドで共通にできるという
アプリケーションをプライベート/パブリッククラウドの双方に柔軟に展開できるvCloud Datacenter。管理機能、セキュリティも両クラウドで共通にできるという

また、ベライゾンやシンガポールテレコム(シングテル)、CSC、BlueLockなど、現在7社ある認定プロバイダーが1つのエコシステムを形成している点も、vCloud Datacenterの大きな特色である。各認定プロバイダーのサービス間には互換性があり、国内拠点はソフトバンクテレコム、アジア拠点はシングテルのクラウドインフラといった利用形態が可能なのである。このためユーザー企業は、海外に容易にアプリケーションを展開できる。マリッツCEOは、ある1つの地域のデータセンターだけで企業がグローバルでクラウドを実現することは「不可能だと思う」という見方を示したうえで、世界の大手サービスプロバイダーで構成されるこのエコシステムの利点をアピールした。また、ソフトバンクテレコム代表取締役副社長兼COOの宮内謙氏は「競合は買収作戦で海外にどんどんデータセンターを設置しているが、我々は自分たちで海外にデータセンターを持つ必要がなくなる」と、ソフトバンクテレコム自身にとってもこのエコシステムには大きなメリットがあると説明した。

グローバルにアプリケーションを容易に展開できるのがvCloud Datacenterの大きな特徴の1つ
グローバルにアプリケーションを容易に展開できるのがvCloud Datacenterの大きな特徴の1つ

なお、具体的な提供料金については明かされなかったが、宮内副社長は「自社でやるよりも、はるかにコストダウンできる」価格に設定するとコメント。また、7月の正式サービス開始に先立ち3月から早期検証プログラムを開始し、技術面や運用面などの検証を行う計画だという。早期検証プログラムには、佐川急便グループの情報システム 子会社であるSGシステム、野村證券、「名前は言えないがメガバンク」(宮内副社長)の3社の参加が決まっているとのことだ。

今回、ソフトバンクテレコムは国内初、世界で7番目の認定プロバイダーとなったわけだが、マリッツCEOがvCloud Datacenterのパートナーを選ぶ際に最も重要な基準としているのは「企業から信頼されていること」だそうだ。クラウドが企業に普及するうえでは、この信頼性こそが重大な課題となっているためだという。また、ヴイエムウェア日本法人の三木泰雄代表取締役社長は「なぜソフトバンクテレコムか」との記者からの質問に対して、(1)日本でトップクラスのサービスプロバイダーであること、(2)以前からの強固なリレーションシップ、(3)新しいビジネスを立ち上げていくときのスピードの3つを理由に挙げた。ただし、日本での認定プロバイダーがソフトバンクテレコム1社で終わるということではないという。

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