OKIは2022年8月24日、福岡県の通信事業者QTnetとともに、ネットワーク機器等の操作・制御を実行する「運用保守自動化システム」の実証実験を開始したと発表した。
本実証実験は、運用保守作業における人的リソースの負担軽減や作業時間の削減が目的。また、今後の運用保守の自動化に向けた要望および課題抽出の確認も行う。
今回使用する運用保守自動化システムは、OKIの通信事業者向けサービスプラットフォーム「CenterStage NXシリーズ」に、運用保守業務に必要となる作業の定型化や自動化の機能を搭載したものだ。運用保守時に必要となる各種操作や制御を予めシナリオとして設定しておき、万一の障害発生時には、シナリオに従った復旧処理を自動かつ迅速に実施する。
これにより、サービス停止時間を低減するほか、定期保守作業においては、事前の準備時間を削減するとともに、人為的な作業ミスが減ることで、通信サービスの品質維持・向上が期待できるとしている。
運用保守自動化システムの動作イメージ
本システムは、SSH/Telnet、sftp/ftp、SNMPといったCLI、REST-APIに対応しており、CenterStage NXシリーズだけでなく、他社製ネットワーク機器の制御も可能。SNMPトラップを受信し、トラップに応じたシナリオを記述することで、障害発生時のログ収集、復旧処理などの処理を自動的に実行させることができる。
また、繰り返し使用する複数のデータ収集作業を1つの「作業群」として定義し、その作業群の組み合わせをシナリオから呼び出すことでメンテナンスを容易にする。
専門知識がない保守員でも対応できるように、作業群の定義については、Microsoft Excel形式で条件分岐を記述してマクロ処理によりコード化する機能を提供。応答結果に応じた条件分岐など複雑な処理の記述も可能だ。
OKIは、本実証実験で得たノウハウやニーズを活かし、実用化に向けた開発を進めていくという。