IoT時代の無線化オフィス――最新技術でトラブル解決、パフォーマンス向上

オフィスLANの主役となっている無線通信。IoT時代を迎えて接続デバイス数がさらに増加する今後、トラブルシューティングの迅速化や安定したパフォーマンスの実現には、AIなど最新技術の活用が不可欠だ。

デバイス増大で新無線が必須に無線LANに接続するデバイスの数は、IoT時代を迎える今後さらに飛躍的に増大していくと予想される。今以上に多くのデバイスがつながれば、速度低下が避けられないが、そこで解決策として期待されているのがWi-Fiの最新規格IEEE802.11axだ。

11axの最大通信速度は9.6Gbpsと、11acの6.9Gbpsから約1.5倍高速化する。加えて、混雑している環境でも複数のユーザーが効率的に通信できるよう、1つのチャネルを複数の端末に分割して割り当てる「OFDMA」を新たに採用し、1ユーザーあたりの平均スループットは従来の約4倍も改善。「AP1台あたりの推奨接続台数は従来50~60台だったのが、11axでは100~200台になる」と池田氏は説明する。アルバは2月から11ax対応APの販売を開始したが、端末側の11ax対応はまだ進んでいないにもかかわらず、大学などの“ヘビーユーザー”から早くもオーダーが入り始めているそうだ。

シスコの前原氏も「端末の絶対数が増えることは確実なので、それに耐えうるパフォーマンスという意味で、axは絶対に必要になってくると思っている」と語る。

オフィスのIoT化に伴い、Wi-Fi以外の無線通信環境が必要になるケースも今後増えていくだろう。例えばBluetoothだ。すでに従業員の位置情報把握にBluetooth Low Energy対応のビーコンを活用する企業などが出てきている。フリーアドレス化したオフィスなどの場合、誰がどこにいるかが分からないためだ。Wi-Fiよりも消費電力が低く、低コストな場合が多いことからBluetoothが選ばれている。

オフィス内のセンサーデバイスなどの接続方法としては、SigfoxやLoRaWANといったLPWAにも注目したい。長距離通信が特徴のLPWAは、建物内部でも電波がよく届く。1つの基地局でビル全体を隅々までカバーすることも可能だ。例えば、ハカルプラスの「LoRa無線機」は、高層ビルの1階から40階までの上下間170mで安定した通信ができることを実証したという。また、京セラコミュニケーションシステム(KCCS)は、屋内向け小型Sigfox基地局のレンタル提供も行っている。

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