新型コロナウィルスの感染拡大でワークスタイルが変化したことで、企業の情報システムは急速にクラウドへと移行した。これにより、クラウド閉域接続サービスに対するニーズにも変化が見られると、インターネットイニシアティブ(IIJ) 執行役員 ネットワーク本部長の城之内肇氏は指摘する。
従来は「安定性とセキュリティ」を求める声が多かったが、最近はそれに加えて「広帯域であること、さらに繁忙期等に合わせて柔軟性も求められるようになってきている」という。クラウド宛通信のトラフィックが急増し、さらに、情報系システムだけでなく「事業系システムの利用が拡大傾向にある」ことがその背景だと同氏は話した。
IIJ 執行役員 ネットワーク本部長の城之内肇氏(左)と、
同本部 ネットワークサービス2部長の小野原雄平氏
この現状に対応するため、IIJが2022年6月15日に発表したのが、クラウド接続の新サービス「IIJプライベートバックボーンサービス/SmartHUB」(以下、SmartHUB)だ。同月30日に提供を開始する。
オンラインで「帯域の付け替え」が可能
ネットワーク本部 ネットワークサービス2部長の小野原雄平氏によれば、SmartHUBの特徴は次の3つだ。
1つは、接続帯域をユーザーが自由に割り当てられることだ。
SmartHUBのユーザー企業は100Gbpsを上限とする「帯域プール」から、「各クラウドに対して10Mbps単位で帯域を割り当てることができる」(小野原氏)。AWSに3Gbps、Microsoft Azureに2Gbpsといったように、オンラインで設定が可能だ。
帯域は10Mbps単位で自由に割り当てが可能
コントロールパネルで割り当てた帯域はすぐに反映されるため、突発的な需要変動にも即座に対応できる。Azureに対して大容量通信が発生する月だけ、Azure向けの帯域を3Gbpsにするといった“付け替え”が可能だ。