キーサイトがベクトル信号発生器の新フラッグシップ 5Gや6G、衛星通信などに対応

キーサイト・テクノロジーは2022年4月27日、新しいベクトル信号発生器「M9484C VXG Signal Generator」を発表した。3年前に発表したM9484Bの後継となる新フラッグシップモデルとなる。価格は800万円~。

M9484C VXG Signal Generator
M9484C VXG Signal Generator

5G、6G、衛星通信、レーダーアプリケーションなどでは、ミリ波を含む広帯域の周波数が用いられるが、M9484C VXGは「現在と将来の顧客ニーズに対応する」(米Keysight Technologiesの草野修氏)という。

まず生成可能なテスト信号の周波数レンジについては、本体のみで9kHz~54GHz、エクステンダーの使用により最大110GHzとなっている。前モデルは、本体のみで1MHz~44GHzだった。

RF帯域幅も前モデルの最大2GHzから最大2.5GHzへ拡大した。2つのRFチャネルを1つのRF出力に結合するチャネルボンディングにも対応し、最大5GHzの変調帯域幅を実現できる。

2つのRFチャネルを結合するチャネルボンディング
2つのRFチャネルを結合するチャネルボンディング

前モデルから大きく変わった点の1つはRFチャネルの最大数だ。M9484C VXGは、1チャネル、2チャネル、4チャネルの3タイプの筐体をラインナップ。従来は2チャネルまでだった。さらに複数の筐体を同期させることにより、32以上のRFチャネルをサポート可能になった。

また、RFチャネルごとに最大8つのバーチャル信号を生成でき、複雑なシナリオのエミュレーションが行えるという。なお、4チャネルの筐体の周波数レンジは20GHzまでとなっている。

生成するテスト信号の信頼性も大きくアップしたという。従来のI/Q変調器ではなく、デジタルアップコンバージョン(DUC)を用いることで信号歪みの問題を解決するなどの性能向上を図っている。

デジタルアップコンバージョンにより、従来のアナログI/Q変調器に起因する信号劣化を除去
デジタルアップコンバージョンにより、従来のアナログI/Q変調器に起因する信号劣化を除去

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