“ローカル5G信号機”で交差点の状況分析、NECが秋田と新宿で実証へ

NECは5GやAI、4Kカメラ映像等を活用して交差点の交通状況測定やインシデント検知を行う実証実験を開始すると発表した。秋田県秋田市の交差点で2022年1月6日より、東京都新宿区の交差点では1月24日以降から実施する。

【実証場所・期間】
・秋田県秋田市 大町4丁目地内の交差点(秋田県秋田市大町4丁目)
 2022年1月6日~2022年3月15日
・東京都新宿区 新宿副都心四号線入口交差点(東京都新宿区西新宿1丁目)
 2022年1月24日以降~2022年3月15日

本実証実験のシステム構成
本実証実験のシステム構成

本実証実験は、内閣府が運営する官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の1つである「令和3年度 交通信号機を活用した第5世代移動通信システムネットワークの整備に向けた調査検討」にNECが参画して実施するもの。高精細な交差点の映像を5GとMEC(エッジコンピューティング)を用いて低遅延で伝送し、様々なAI技術を用いて、車および歩行者の「交通状況測定」、人物の倒れ込み・害獣の進入等の「インシデント検知」、撮影映像に対する「プライバシー保護対応」をリアルタイムに処理する。信号柱に設置されたローカル5Gを活用し、4Kカメラの映像を伝送する。

令和3年度 交通信号機を活用した第5世代移動通信システムネットワークの整備に向けた調査検討では、5Gエリアの拡充と交通信号機のネットワーク化の促進に向け、交通信号機に5G基地局など5G機器を設置する検討をデジタル庁、総務省及び警察庁が連携して推進している。NECは、「令和3年度信号5G検討コンソーシアム」の一員として5G機器を交通信号機に設置し、ICTを活用した実際の利用シーンを想定した下記3つの技術検証を行う。

「車および歩行者の交通状況測定の技術検証」では、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)が研究開発するAI技術を流用した交通流解析アプリケーションを用いて、4K映像から交通状況(車および歩行者の位置・速度・進行方向)測定の実現性を検証する。将来的には歩車分離式交差点の交通効率向上、自動運転車を含む走行中の車両に対する注意喚起への応用を想定しているという。

交通状況測定の技術検証のイメージ
交通状況測定の技術検証のイメージ

「人物の倒れ込み・害獣の進入等のインシデント検知の技術検証」では、カメラ映像から交差点付近での人の倒れ込みや害獣(熊等)の侵入等のインシデントの検知を検証する。

人の倒れ込み検知には、行動のサンプルを数秒の映像として与えるだけで、ライブカメラの映像中から、類似の行動を簡単に見つけ出すことができる「オンデマンド行動検出」を使用。将来的には、インシデント発生時に交差点のカメラを用いて迅速に状況を確認・対処する等の街の安全性向上や、地域特性に合わせた都市マネジメントに活用することを想定している。

インシデント検知の技術検証のイメージ
インシデント検知の技術検証のイメージ

「撮影映像に対するプライバシー保護対応の技術検証」では、プライバシー保護対応として、映像中の人物の顔部分をリアルタイムで覆い隠す技術を検証する。

なお、本実証実験で撮影した映像については、個人を特定する利用を一切行わず、プライバシーについて十分に配慮し、個人情報保護法や関連法令を遵守したうえで実証実験にのみ利用。映像データは厳格な安全管理措置を講じ、実証実験の終了後に速やかに削除するとしている。

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