NECは2021年12月20日、1.9GHz帯を使用した自営通信用TD-LTE規格であるsXGPに対応したプライベートLTEシステムにおいて、従来から提供してきたアクセスポイント(AP)用コントローラーのラインナップに、主に小規模の病院や工場などでの利用を想定した小型APコントローラを新たに追加し、販売開始すると発表した。
小型APコントローラーのサイズイメージ |
sXGPは免許不要でありながら、無線LANなどと比べて外来ノイズが少ない1.9GHz帯を用いるため、通信の安定性が高いことが特長だ。また、秘匿性の高いLTEのSIM認証や、外部にデータを出さないクローズドなネットワーク構成により、セキュアなローカル無線通信ネットワークを構築することができる。そのため、病院や工場、倉庫などの自営ネットワークで音声通話やデータ通信などに活用されている。
NECはこれまで、接続するAP数や端末数が比較的大きな規模でも利用可能なAPコントローラーを提供してきた。今回新たに販売開始する小型かつ接続可能なAP数を抑えたAPコントローラーは、設置場所の制限を減らし、価格設定を見直すことで、小規模なユーザーの導入のしやすさを実現している。
小型APコントローラーは、小規模で使うユーザのニーズに応えるため、NECプラットフォームズ製のコンパクトボックス型コントローラーをベースに、接続AP数などの機能を絞ったAP用コントローラーとして新たに開発。180×180×50mmのコンパクトな筐体であり、標準APコントローラよりも設置場所の制約を受けずに利用することができる。
また、従来の標準APコントローラーと比べて約1/2の費用で導入が可能。小型APコントローラーはAP数や端末数が比較的少ないユーザの利用に適した製品で、PoC(概念検証)のためのsXGPシステム導入としても適している。また、sXGPに対応したプライベートLTEシステムを利用するための最小構成(小型APコントローラやAPなど含む)をセットにしたパックも近日販売開始の予定。
NECは、プライベートLTEシステムについて2025年度までに累計1000システム以上提供することを目指している。