次世代Wi-Fi特別講義7<Wi-Fi QoS Managementとは?>リアルタイム通信を優先制御

Web会議やオンラインゲーム等のリアルタイム系アプリを自動判別し、その通信を優先制御する新機能「Wi-Fi QoS Management」が登場した。接続・認証機能とも連動してWi-Fiをより使いやすいものへと進化させる。

講 師 Wi-Fi Alliance
Wi-Fi Alliance 小林佳和参画メンバー
小林佳和(こばやし・よしかず)参画メンバー
Wi-Fi Allianceの前身であるWECA(Wireless Ethernet Compatibility Alliance)から参加する日本最古参のWi-Fi Alliance参画メンバー。同アライアンスからグローバルな賞であるミッションスペシャリストアワードを受賞している。NEC デジタルプラットフォーム事業部に所属。山形大学客員教授。現在、総務省 情報通信審議会の「5.2GHz帯及び6GHz帯無線LAN作業班」の構成員も務める。アプリ面でも、マイクロソフトMVPを15年連続で受賞している

Q 2021年5月に、Wi-Fi Allianceが新規格「Wi-Fi QoS Management」を発表しました。これは、どんな規格ですか。

小林 Wi-Fi Allianceでは、それを代表しての発言ができないので、公開情報からの知識に限定して説明させてください。

家族やシェアハウスの住人がそれぞれオンラインゲームやWeb会議をやっていたり、動画を観ているときに、各々が最適なかたちで帯域をシェアしながらWi-Fiを使えるようにする規格です。

例えば、お父さんがテレワークでWeb会議、長男はオンラインゲーム、次男はオンライン授業、妹はテキストチャットしながら動画を見ている。お母さんはYouTubeで料理番組の配信をする場面を考えてみましょう。

Q すぐに帯域が足りなくなりそうですね。

小林 動画のトラフィックに帯域を圧迫されて、お父さんがWeb会議できなくなったら困りますし、子供のオンライン授業も大切です。お母さんのYouTube配信も、これが結構な収益を上げていたら途切れさせたくありません。オンラインゲームだって、通信が切れると課金が無駄になってしまいますよね。

Wi-Fi QoS Managementでは、これらのトラフィックを4つ以上のカテゴリーに分けて優先順位を付けて制御します。通信が少しくらい遅れても大丈夫なチャットと動画視聴の順位を下げ、リアルタイム系アプリの通信を優先的に通すように自動的にマネジメントしてくれます(図表1)。

図表1 Wi-Fi QoS Managementのユースケース

図表1 Wi-Fi QoS Managementのユースケース

月刊テレコミュニケーション2021年10月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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