JTOWERは2021年10月29日、総務省「令和3年度 交通信号機を活用した第5世代移動通信システムネットワークの整備に向けた調査検討」事業に、事業実施コンソーシアムの構成企業の1社として参画すると発表した。
高速大容量・低遅延の新たな通信方式である第5世代移動通信システム(5G)は、その電波特性のため、エリア設計において4Gよりも多数の基地局の設置による稠密なネットワークの構築が求められており、5G基地局の設置場所確保が課題だ。
また現在、都道府県警察が管理する全国約20.8万基の交通信号機のうち、集中制御されているものは全体の3割程度にとどまっており、かつ集中制御に用いられているネットワークの多くを電話線によるものが占めているため、その整備・運用コストが重荷となっている。
こうした背景から、内閣官房(現デジタル庁)、総務省、警察庁では、2019年度から官民研究開発投資拡大プログラム(PRISM)の一環として「交通信号機を活用した5Gネットワークの構築」の検討を推進している。
JTOWERは、本事業のコンソーシアムの1社として、東京都と秋田県での実証実験において「複数の携帯電話事業者間での共用を含む5G基地局の設置に係る検証」と「実証実験を通じた第三者機関の機能・役割の検証」の実施を担当する。
「複数の携帯電話事業者間での共用を含む5G基地局の設置に係る検証」では、交差点に5G共用設備や共用アンテナを設置し5Gネットワーク整備を行う。インフラシェアリングを活用することで、交通信号機への設置に適した設備の簡素化、軽量化が実現することに加え、携帯キャリア各社の投資軽減への貢献を目指す。
JTOWERによる5Gインフラシェアリングのイメージ |
また、「実証実験を通じた第三者機関の機能・役割の検証」では、基地局設置に係る第三者機関として、携帯キャリア各社、都道府県警察、道路管理者等の多岐にわたる関係者との設備設置調整や各種申請の窓口一元化の役割を担い、基地局設置における業務の効率化について検証する。
交通信号機への基地局設置に係る第三者機関の機能・役割(イメージ) |
JTOWERでは、インフラシェアリングを活用した5Gネットワーク整備に加え、第三者機関として関係者間の窓口一元化の役割を担うことで、効率的な調査検討の遂行に貢献していきたいとしている。