マイクロソフトの新UC基盤「Lync」への移行を支援、NETが新ゲートウェイで攻勢

ユニファイドコミュニケーション(UC)環境へのスムーズな移行を実現するマイクロソフト認定ゲートウェイを提供する米NET。Lync対応製品をいち早く投入し、本格化するUC市場で攻勢をかける。

既存投資を保護する「SmartSIP」

NETでは、「Smart SIP」と呼ぶUCアプリの提供を準備している。

SmartSIPの目的も、従来の戦略通り、IP-PBXからLyncへの移行をサポートすることだ。

OCSとLyncの最大の違いは、「電話」の位置付けにある。OCSは基本的にIP-PBXとの連携を前提としていた。2009年に登場したR2でPBX機能を大幅に拡充したとはいえ、他ベンダーのIP-PBXに比べて見劣りする点は否めなかった。

だがLyncは、前述のSBAのほか、コールアドミッションコントロール機能の搭載など、これまでOCSに欠けていた「電話システムとしての信頼性」の向上に注力している。IP-PBXとの統合だけでなく、「完全移行」も見据えた製品だ。

SmartSIPはこの完全移行をサポートするものだ。既存IP-PBXの電話機をLync直収の電話機として使えるようにするアプリで、例えば、シスコのUnified Communications Managerの導入企業がLyncに移行する場合、シスコのIP電話機をそのままLyncの電話機として利用できる(図表3)。1台数万円もする電話機に新たな投資をする必要がなくなるのだ。

図表3 既存投資の保護
図表3 既存投資の保護

内外線通話はもちろん、PCクライアント「Office Communicator」へのプレゼンス表示も可能だ。電話機の増設・移設時にLANにつなげるだけで自動で構成変更を行うオートプロビジョニング機能も備えており、Lyncとのシームレスな連動が可能になる。また、前述のリモートマネジメント機能は、ゲートウェイの機能とともにサーバーアプリの管理も一元的に行えるように設計されている。

なお、サポートするIP電話機は、発売時点で「Cisco 7900シリーズ」など数種類に留まっているが、その他のベンダーについても、ユーザー企業やSIerの要望に応じてサポート対象を拡大していく予定だ。

「Lyncの登場によって、マイクロソフトのUCが本格的に市場に受け入れられると確信している」とリー氏は語る。既存電話システムからUC環境へのスムーズな移行を実現するUX2000も、UC市場の活性化に大きな役割を果たしそうだ。

月刊テレコミュニケーション2010年10月号から一部再編集のうえ転載(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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