スペインの大手通信事業者テレフォニカと日NECは2021年9月15日、テレフォニカの主要市場であるスペイン、ドイツ、英国、ブラジルにおけるOpen RANのプレ商用実証に合意したと発表した。
テレフォニカは同年1月にOpen RANの優先的な展開をコミットする覚書に署名。柔軟で効率的かつ安全なモバイルネットワークの構築を目的に、Open RANソリューションの導入と展開に取り組んでおり、2025年までにモバイルネットワーク全体の50%をOpen RANベースで構築することを目標としている。
今後、本合意に基づきNECはプライムシステムインテグレータとして、テレフォニカグループのスペイン、ドイツ、英国、ブラジルの事業会社と共同でマルチベンダーによるOpen RANソリューションの実証を実施し、2022年に4カ国合計800カ所以上に基地局を設置して商用展開することを目指す。
今回導入するOpen RANソリューションは、5G基地局装置の無線機などNEC製品に加え、パートナー企業のソフトウェアおよびハードウェア製品で構成される。
また、テレフォニカとNECは、マドリッドに新設されたテレフォニカテクノロジー・オートメーションラボにおいて、最先端のOpen RAN技術や様々なユースケースの検証・導入を共同で行う。ユースケースには、RAN最適化のためのAIを活用したRIC(RAN Intelligent Controller)、SMO(Service Management and Orchestration)に基づくサービスライフサイクルの自動化、テレフォニカのCI/CDのフレームワークによるテストから展開までの自動化および省電力化が含まるという。
加えて、NECが英国に設置したOpen RANの事業開発拠点(Center of Excellence)では、蓄積したノウハウを活用してマルチベンダーエコシステムの統合・検証を進めると共に、革新的なユースケースをテレフォニカと共同で開発していくとしている。