フォーティネットジャパンは2021年7月、サービスプロバイダーを対象としたオンラインイベント「Fast&Secure TOKYO 2021」を3週にわたって開催した。実際に製品を利用するエンドユーザーではなく、通信事業者などのサービスプロバイダー向けのイベントであるにも関わらず、のべ参加人数は490名を超え、非常に注目度の高いイベントになった。
このイベントでは、2021年4月にリリースしたばかりのフォーティネットのフラッグシップOSの最新バージョンである「FortiOS 7.0」や、フォーティネットが提供するSASEソリューション、さらにはローカル5GやOT環境におけるセキュリティなどについて解説が行われた。
それらの中でも特に注目度が高かったのは、ZTNA(Zero Trust Network Access)やクラウドベースのSASEを提供するFortiOS 7.0だ。フォーティネットジャパンの加藤郁朗氏は「WAN関連のソリューションへの関心が高まっています。今回のイベントでも、従来のSD-WANに加えてZTNAやSASEといった機能を追加したFortiOS 7.0の講演は多くの方々に視聴されていました」と話す。
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フォーティネットジャパン 加藤郁朗氏(左上)、上野隆幸氏(右上)、山田麻紀子氏(下)
WAN関連ソリューションに注目が集まる理由の1つとして挙げられるのは、新型コロナウイルスの影響によるワークスタイルの変化だ。特にリモートワークは多くの企業が実践しており、今後も新たな働き方の1つとして定着する可能性は高い。「オフィスと自宅のどちらでも働ける環境を整え、状況に応じて働く場所を選択するワークスタイルが広まるのではないでしょうか」と見通しを示しつつ、加藤氏は次のように続ける。
「一方、リモートワークを採り入れた際に問題となることが多いのはセキュリティです。オフィス外でも安全に業務ができる環境を整えるためには、リモートワークも想定したセキュリティポリシーを定め、実装していくことが重要です。そこで大きな鍵を握るのがゼロトラストであり、今後のセキュリティ対策における基本的なセキュリティモデルとなるでしょう」
このゼロトラストの考え方に基づいたリモートアクセスソリューションとして、FortiOS 7.0に搭載されたのがZTNAである。