ドコモが5G法人事業で新施策、スマートグラス・次世代MEC投入へ

ビジネス向けアプリ/サービスを開発するパートナーとともに5Gのユースケース開拓を進めるドコモ。法人事業の軸となる協創の取り組みは、映像伝送やXRを軸に「全国で約300案件」に達した。新デバイスの投入、次世代MECの提供などでさらなる活性化を図る。

「ドコモ5Gオープンパートナープログラムは4000社まで拡大した。全国で約300件の5G協創案件がある」

法人向け5Gの展開について、NTTドコモ 代表取締役副社長の丸山誠治氏はそう述べた。同社は2021年7月15日にオンライン記者発表会を開催。「docomo 5G DX MEETUP for business」と題して、法人向け5Gソリューションの現状と展望について説明した。

NTTドコモ 代表取締役副社長の丸山誠治氏(左)と、 常務執行役員 法人ビジネス本部長の坪内恒治氏
NTTドコモ 代表取締役副社長の丸山誠治氏(左)と、
常務執行役員 法人ビジネス本部長の坪内恒治氏

ドコモは5Gソリューションを開発するパートナーの支援とビジネスの共同開発などを目的として、2018年からドコモ5Gオープンパートナープログラムを開始。2020年3月の5Gサービス開始以後、全国各地でトライアル・実証を行ってきた。400社あまりでスタートした同プログラムの参加企業は2021年6月末で4000社を突破。「2021年末までに5000社を目標としている」(丸山氏)。

グーグルのスマートグラスで協創加速
具体的な5Gのユースケースとしては、高精細映像伝送、遠隔支援、遠隔操作、そして新たな教育体験の4つを例に挙げた。高精細映像伝送については「イベントでの引き合いも多く」(丸山氏)、高速・大容量通信と低遅延通信という5Gの特徴を活かして、遠隔地を結んだ音楽セッションのイベントも行われているという。

法人向け5Gユースケースの例
法人向け5Gユースケースの例

遠隔支援は工場や建設現場等でのコロナ対策の「密回避」に貢献。5Gによる医療用ロボットの遠隔操作は、「地域の外科医療の改善に向けた取り組みとして期待されている」。教育分野では、体育の実技指導に5G映像伝送を活用しようとする取り組みも進んでいる。

こうしたソリューション開発と実証をさらに加速するため、ドコモは8月に新たなデバイスを投入する。グーグルのスマートグラス「Glass Enterprise Edition 2」だ。800万画素のカメラ、タッチパッド、電池パック等を搭載しながら46g(フレームを除く重量)と軽量なため、幅広いビジネスシーンでの利用が期待できるという。8月10日から販売を開始する。

8月10日から販売を開始する「Glass Enterprise Edition 2」
8月10日から販売を開始する「Glass Enterprise Edition 2」

ドコモがこれまで手掛けてきた案件では、デバイスの軽量化やハンズフリーへのニーズが特に強かったという。Glass Enterprise Edition 2はこれに応えることができる。丸山氏は遠隔作業支援のほか、店頭接客、警備業務などへ応用範囲を広げていきたいと展望した。

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