エアロネクスト、ACCESS、出前館、吉野家は2021年6月11日、神奈川県横須賀市と横須賀市立市民病院、神奈川県立海洋科学高等学校の協力のもと、出前館のアプリで注文された吉野家の牛丼弁当を横須賀市立市民病院の医療従事者にオンデマンドでドローン配送する実証実験を行ったと発表した。
病院に到着するドローンと、牛丼を受け取る医療スタッフ
この取組みは2019年12月に神奈川県のドローン前提社会の実現に向けたモデル事業として採択された、エアロネクストの「ドローン物流定期ルートの開設に向けた実証実験」ならびに横須賀市の地域課題解決を目指した「ヨコスカ×スマートモビリティ・チャレンジ」の一環。2022年度の「空の産業革命レベル4」解禁に向けて将来の食料品や医薬品のドローン定期配送を見据えた取組みでもあるという。
出前館のアプリで注文された吉野家の牛丼弁当を、同社のキッチンカー(オレンジドリーム号)で調理し専用ボックスに格納され、 出前館の配達員によってドローン離陸地点(立石公園)まで搬送される。専用ボックスがセットされたドローンが、立石公園から離陸。海上4.5km、陸上0.7kmの合計約5.2kmの航路を約10分間飛行し、横須賀市立市民病院屋上に着陸し医療従事者に届けられた。
横須賀市立市民病院は新型コロナウイルス感染症の入院が必要と診断された中等症の患者を受け入れる「重点医療機関」。周辺に昼食場所が少なく、病院内の食堂も時間短縮で運営されており、医療従事者にとって温かいランチを取りにくい環境という。オンライン診療の検討を始めており、今回の実証実験では今後のオンライン診療と医薬品配送の可能性も見据えて協力の運びとなったという。