日立システムズ、5Gの普及を見据えた「セキュア映像通信サービス」を提供開始

日立システムズは2021年2月18日、「セキュア映像通信サービス」を提供開始すると発表した。

同サービスは、5Gなどの次世代無線通信技術を活用したワンストップソリューションの1つとして、①特殊な暗号化処理を行うためのプログラムを搭載した監視カメラなどのエッジデバイス、②デバイスで撮影した映像を暗号化し、5Gやローカル5G、Wi-Fi 6、sXGPなどのネットワークを通じてリアルタイムに伝送するシステム、③暗号化した映像の復号と保管・検索・閲覧が可能な映像管理システムなどをセットで提供するものだ。これにより、低コストでありながら、セキュアな映像管理システムの導入を支援する。

「セキュア映像通信サービス」のイメージ図

5Gでは高精細な映像のリアルタイムな伝送が可能となる一方、セキュリティを担保するためには、専用回線や閉域網などを導入するか、または公衆網で利用する場合、映像の暗号化処理などが必要となる。コストを抑えるためには公衆網の利用が適しているが、暗号化処理による遅延が発生するため、交通インフラなどをはじめとする公共分野や医療分野などプライバシー保護のためにセキュリティの担保が必須となる分野では活用が難しいという課題があった。

これに対し、セキュア映像通信サービスは、米国のパートナー企業が特許を取得している特殊な暗号化処理技術(AES256による暗号化)をベースに日立システムズ独自のプログラムをカメラに搭載することで、高精細な映像でも暗号化処理の遅延が少ない映像通信を可能とする。このため、プライバシー保護が重要な場所での映像通信・管理においても専用回線や閉域網などを利用せず、公衆網とクラウド、特殊な暗号化処理技術により、低コストかつセキュアな映像の伝送を実現できる。

また、暗号化技術の提供だけでなく、映像の復号から保管・検索・閲覧が可能な映像管理システムや必要となる高精細カメラの調達などをワンストップで提供することで、運用面も含め、ユーザーのニーズに合った映像管理システムの導入を支援する。

これにより、例えば、街中の電柱などに取り付けた監視カメラの映像管理において、現状は映像を記録したカード型の記録媒体を人手で定期的に回収や交換を行っているような場合、セキュリティを担保しつつ、映像データをリアルタイムに伝送する映像監視システムへ移行することができ、プライバシー対策や作業負荷、運用コストの低減も支援する。また、救急医療の現場においても、ドクターヘリなどで救急搬送中の患者の様子や怪我・病気の症状に関する高精細な映像を受け入れ先の病院にセキュアに低遅延で伝送することで、事前に受け入れ準備を整えたり、迅速で適切な診断・処置につなげたりすることが可能になる。

今後、日立システムズは、同サービスの拡販だけでなく、日立のLumadaソリューションとの連携によるデジタルトランスフォーメーションの推進支援まで含めて、ローカル5Gワンストップソリューションとして様々なサービスを展開する予定。これにより、2025年度末までに累計25億円の売上を目指すとしている。

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