無人でも“おもてなし”感を演出コロナでニーズ増!「対話ロボ」ビジネス活用の最前線

NTT東日本は、ロボット型の通信端末に対して音声認識・合成などの多彩な機能を提供するクラウド型プラットフォームサービス「ロボコネクト」を提供している。コロナ禍で非接触・非対面ニーズが高まるなか、そのビジネス活用が広がってきた。主要な利用シーンを5パターンに分けて、実際の活用例を紹介する。

2021年1月18日からオンラインで開催されている「NTT東日本 Solution Forum 2021 ONLINE」(会期1月22日まで)では、様々な業種業態におけるICT活用事例が紹介されている。そのなかで、小売・店舗などサービス業における活用例の1つとして挙げられているのが「コミュニケーションロボット」(ロボット型の通信端末)だ。

ビジネス開発本部 第三部門 IoTサービス推進担当 担当課長の蒲池陽路氏は「コミュニケーションロボットソリューションについて」と題した講演で、「ロボット活用はまだ黎明期を脱していないが、技術の進歩により、少しずつだが着実にビジネス活用が始まってきている」と現状を話した。新型コロナウイルス感染症の拡大も影響しており、「非接触・非対面のニーズが高まり、注目が集まってきている。当社への問い合わせも増えている」状況だ。


ビジネス開発本部 担当課長の蒲池陽路氏
Sotaには、NTTグループのAI技術「corevo」が使われている

NTT東日本は2016年から、コミュニケーションロボット向けに音声認識・音声合成をはじめとする多彩な機能をクラウド型で提供するプラットフォームサービス「ロボコネクト」を開始。ヴィストン製のロボット「Sota」と合わせて、業種向けソリューションを開発・提供している。

小売店舗・施設等の来訪者とロボットが4カ国語(日本語、英語、中国語、韓国語)で対話するための基本的なコミュニケーション機能が用意されているほか、APIを活用して付加機能の開発やカスタマイズが容易に行えるのが特徴だ。例えば、Sotaの内蔵カメラで撮影した映像を使った顔認識やQRコード読取り、動体検知、チャットボットを使った対話シナリオの設定も可能だ。


ロボコネクトで提供している基本機能。
API連携による付加アプリケーションの開発も可能だ

蒲池氏によれば、現在のロボコネクト活用法は大きく5つのパターンに分けられるという。実際の採用例を挙げながら、その活用法をみていこう。

都営地下鉄、ホテル、オフィス受付で続々採用
第1のパターンが、観光案内・施設案内での活用だ。

2020年10月に正式採用したのが東京都交通局。現在、都営地下鉄新橋駅のインフォメーションセンターで、Sotaが駅構内・経路、周辺施設の案内を行っている。英語・中国語にも対応し、ヴァル研究所の「駅すぱあと」と連携した乗換駅案内も可能だ。

蒲池氏によれば、「チャットボット形式で対話シナリオを設定しており、対話の内容を解析してお客様が本当に知りたい情報を解析しながら改善している」という。北九州モノレールも導入したほか、「他の鉄道事業者でも今年度中の導入が決まっている」。


新橋駅での案内の様子

ホテルのフロント業務での採用も増えている。北九州小倉のビジネスホテルYANAGIは2020年5月に導入。周辺の観光情報案内に活用している。

2つめは、オフィス受付。来訪者と対話しながら、タブレット端末と連携して担当者に訪問を通知する。受付を無人化できることに加えて、「殺風景になりがちな受付空間にSotaを置くことで、“おもてなし感”を演出するのに役立っている」という。

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