IDC Japanは2020年8月24日、国内ネットワークサービス利用動向に関する企業アンケート調査結果を発表した。新型コロナウイルス感染症の影響で多くの企業が在宅勤務を実施するなか、リモートアクセス環境の整備が課題となっていることが明らかになったという。
今回の調査は、今年7月に実施した。回答企業にWANの課題について尋ねたところ、「インターネットやWebアプリケーションなどのセキュリティ」(36.8%)との回答が最も多く、次いで「リモートアクセスでも拠点内からのアクセスと同等のユーザー体験を提供」(32.3%)だった。また、約4社に1社は「トラフィックの増加」(26.0%)を挙げた。
在宅勤務を行う従業員の増加により、これらを課題と捉える企業が増加したとIDCでは分析している。
さらに、「トラフィックの増加」を課題と回答した企業に対し、トラフィックの増加におけるボトルネックは何かを尋ねたところ、「リモートアクセスのためのVPN装置」(57.8%)との回答が最も多かった。
IDC Japan コミュニケーションズ リサーチマネージャーの小野陽子氏は「現在、在宅勤務の増加によって、従来は考えられなかった数の従業員がインターネットを介して常時企業システムに接続し業務を行っている状況である。多くの企業にとって、新たな勤務形態に適したリモートアクセス環境の整備が急務となっている。今後は、リモートアクセスの規模拡大と、セキュリティポリシーの確実な遂行を両立するために、クラウド型のセキュリティサービスの普及が進むであろう」と述べている。