シスコは2020年6月17日、Cisco Webexの機能強化を発表した。
同社によれば、2020年4月にはグローバルで5億人がWebexの会議に出席、総時間数は250億分に達した。これは、通常の3倍以上のボリュームであるという。
今回の機能強化は、セキュリティの強化、boxとの統合機能の追加、医療用プラットフォームとの統合など多岐にわたる。
セキュリティについては、Webex Meetingsを拡張してデータ喪失防止(DLP)保持と訴訟ホールド(関連するすべての資料・情報を安全に保持する)に対応した。これにより、会議のすべてのコンテンツ(録音、文字起こし、アクション項目、ハイライト)のセキュリティと保護が強化される。また、エンドツーエンドの暗号化オプションを拡張し、GCMモードのAES 256ビット暗号化に対応。会議データの保護と改ざんへの耐性が向上する。
テレワーカーの増加に対応するものとしては、音声アシスタント テクノロジーである「Webex Assistant」をビデオ会議端末へ迅速に配備できるようにした。また、オフィス側では、最も使用される会議スペースを簡単に特定し、このデータに基づいて空いたスケジュールを利用者に連絡したり、ニーズに応じた会議スペースの構成方法の再考に役立てたりすることができるようにした。加えて、Webex TeamsとBoxを統合し、ユーザーがWebexとBoxのファイル共有機能を任意に選択できるようになった。
遠隔医療の普及に対応するため、Epic電子カルテ ソフトウェアとの統合も実施した。Epic内の電子カルテを利用する患者数は2億5000万人以上に及ぶ。
医療提供者はWebex Teamsを使って患者のビデオ訪問、病歴の確認、診断文書の更新を行えるようになる。患者側は何もダウンロードする必要がなく、Webブラウザからセキュアなセッションにログインして必要なケアを受けることができるという。