NTTコミュニケーションズは2020年4月1日より、国内における「フルMVNO基盤」の運用を開始し、同基盤を活用したeSIMによるモバイル通信プランの提供を始めると発表した。同社が提供する「Arcstar Universal One モバイル」「OCN モバイル ONE for Business」「モバイルアクセス卸サービス」「IoT Connect Mobile」において、フルMVNOに対応した機能を追加する。
フルMVNOとは、加入者管理機能(HLR/HSS)を事業者が自ら保有し管理することで、より自由度の高いサービス提供を行うことができるMVNOのこと。これにより、SIMの休止・再開の管理や形状の選択、機能拡張などが可能な付加価値の高いサービスを利用できるようになるという。
具体的には、利用の休止や再開のタイミングを遠隔からコントロールできる「SIMライフサイクル管理」機能が使える、利用環境や用途に合わせてSIMのタイプやグレードを選択できるなどの利点がある。
SIMのタイプは利用する機器からの取り外しが可能な「Plug-inタイプ」と、振動耐性・衝撃耐性に優れた機器組み込み用の「Chipタイプ」の2種類から選択が可能だ。両タイプともに、標準の「ノーマルグレード」に加え、温度耐性や書き込み耐性を強化した「インダストリアルグレード」を選ぶこともできる。
また、eSIMを利用する場合は、SIM上のセキュアな領域にJavaアプレットを実装することにより、用途に応じたさまざまな機能拡張が可能になるという。例えば、セキュリティを重視する場合に、SIMカードの高い耐タンパ性を活かし、アプレット領域に暗号鍵を格納することで通信のセキュリティを高めたり、IoT機器の改ざん検知機能を付加したりできる。