NTTドコモは2019年11月27日、東京大学大学院情報学環中尾研究室とともに、5Gによる水中ドローンを活用した漁場遠隔監視の実証実験に成功したと発表した。
実験構成
実験は、広島県江田島市のカキ養殖場において、実験用の5G基地局・移動局を用いて水中ドローンを遅延なく操縦しながら高画質な映像を伝送するもの。水中ドローンで撮影する映像伝達に5Gを活用する取り組みは水産業界初だという。
陸地に設置した5G基地局と、船舶に搭載した5G移動局
船舶のデッキ上の5G移動局
具体的には、まず海上(カキ養殖場の筏設置場所に合わせて基地局から100~150mの範囲)に停泊させた小型船舶に5G移動局を設置。5G移動局装置に有線接続した水中ドローンをカキ養殖場の海中へ投入し、水中ドローンのカメラで撮影した海中のHD映像を、上りリンク(移動局から基地局への通信)最大約300Mbpsの伝送速度で陸上の5G基地局に向けて無線伝送した。
また、並行してタイムラグのない水中ドローンの操縦信号を5G基地局から5G移動局に向けて無線伝送した。5G実験用基地局はエリクソン製、移動局はインテル製で、使用周波数帯は28GHz帯(帯域幅:366MHz)だった。
水中ドローンを操作している様子(左)と撮影したカキの様子(右)
今回の実験に関する東京大学の研究開発