欧州から日本の自治体に逆輸入NGSIで日本のデータ流通を加速する

データドリブンな社会の実現に向けて、“日本発”のネットワークAPI「NGSI」への注目が高まっている。先行してスマートシティへの採用が広がった欧州からの“逆輸入”のかたちで、日本の自治体での導入も増えてきた。

データ流通を促進するため、日本のIT企業が力を合わせている。その舞台の1つになっているのが、低コストでの官民データの相互連携や横展開を目指し、2018 年に設立された一般社団法人官民データ活用共通プラットフォーム協議会(Data Platform Consortium:DPC)だ。

DPCには、主要IT企業の多くが名を連ねる。NTTコミュニケーションズ、日鉄ソリューションズ(NSSOL)、TIS、NEC、日立製作所、富士ソフト、富士通などが理事会員を務め、さらにアマゾン ・ウェブ・サービス・ジャパンやグーグル、セールスフォースドットコム、日本マイクロソフトなどの外資系企業も正会員として参加している。

そのDPCが日本でのデータ活用を加速するため、まず注力しているのが「NGSI」の普及である。

(左から)DPC 理事 天野隆輿氏、同 代表理事 奥井規晶氏、同 活動促進委員会 副委員長 吉田拓史氏
(左から)DPC 理事 天野隆輿氏、同 代表理事 奥井規晶氏、同 活動促進委員会 副委員長 吉田拓史氏

NGSIとは?NGSI(Next Generation Service Interfaces)は、“日本発”のネットワークAPIの国際標準規格だ。NECを中心に策定され、2010年にはOMA(Open Mobile Alliance)によって標準化された。以降もアップデートを重ね、最新版のNGSI-LD(Linked Data)はETSI(欧州電気通信標準化機構)により公開されている。

NGSIは、異なるアプリケーション間でデータ連携するためのインターフェースだ。NGSIのデータモデルは大きく「エンティティ(実体)」と、その属性情報であるコンテキスト情報から構成され、異なるアプリケーション同士でのデータ連携を可能にする。

例えば、スマートシティ推進のためにIoTデータを収集しようとする時、都市には「市民」「バス」「店舗」「駐車場」など様々なエンティティが存在している。NGSIでは、これらエンティティにそれぞれ一意のIDを割り振り、コンテキスト情報を管理できるようにする。駐車場でいえば、名前、駐車スペース数、現在の空きスペース数、立地などがコンテキスト情報である。

NGSIは「M2Mでデータ連携をするときの標準の1つだ」とDPC 代表理事の奥井規晶氏は説明する。

月刊テレコミュニケーション2019年9月号から一部再編集のうえ転載
(記事の内容は雑誌掲載当時のもので、現在では異なる場合があります)

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