“アナログよりも安いIP監視”―― パナソニックが「i-Pro Smart HD」のラインナップを拡充

パナソニックシステムネットワークス(PSN)は2010年10月5日、ネットワークカメラ監視システム「i-PRO(アイプロ) Smart HD」の秋モデル新製品の発表会を開催した。すでに9月14日付けでリリースされているネットワークカメラ2機種およびネットワークディスクレコーダー3機種の計5製品(参照記事)を販売パートナーなどに披露するとともに、製品戦略と今後の展開について説明した。

PSNは2010年春に、カメラ監視システム「i-PROシリーズ」の新コンセプトとして「Smart HD」を打ち出し、その第一弾となる製品としてネットワークカメラ4機種などを7月から発売した。同社・セキュリティビジネスユニット長である小河寿常務によれば「上期の売上は当初計画を上回る見込み」と、販売は好調。今回発売する“秋モデル”で、新コンセプトの売りである「より賢く、より投資対効果の高いIP監視」を実現するためのラインナップを拡充するとした。

もともと「Smart HD」は、ネットワークカメラを用いた「IP監視」システムが、アナログカメラによる監視システムより高コストになるという“弱点”を克服し、監視カメラシステムのIP化を推進することを大きな目的としている。ネットワークカメラには、アナログでは実現できない高画質映像での監視が可能になるほか、映像の検索性に優れる、画像認識・分析により活用領域が広がるなどの利点がある。だが、カメラ・レコーダーともに、アナログに比べて価格が高く、電気代や保守・メンテナンス費用も高コストになるといった点が、監視システムのIP化に歯止めをかけていた。

新コンセプトであるSmart HDは、監視システムにおける「TCO削減」を大きなテーマとしている

今回発売される秋モデルは、すでに発売されている機種以上に、その点を意識したものになっているという。新発売となるネットワークカメラ2機種は、コスト要求が厳しい小売店舗や商業施設での利用を想定し、コストパフォーマンスをさらに追求した。

“秋モデル”として発売されるネットワークカメラ新製品2機種

固定焦点レンズ搭載の「DG-SP102」は、昨今、高解像度のメガピクセルカメラが相次いで発売される中、配信映像のサイズをあえてVGA(640×480)に抑えたモデル。スタイリッシュな円筒形デザインと、4万4100円(希望小売価格)という低価格が特長で、低コストに監視システムを構築したい店舗向けに販売する。固定焦点カメラに特有の画像の“歪み”を補正する機能を搭載している点も売りの1つだ。

もう1つの「DG-SC385」は、HD 720pの解像度、36倍EX光学ズームなどが特長の高機能カメラだ。撮影範囲内の照度差を補い自然な見やすい画像が得られるスーパーダイナミック方式を採用しており、これと「顔検出」アプリケーションを組み合わせることで、高付加価値な監視システム提案が可能になるという。

ネットワークディスクレコーダーの新製品(記録容量・搭載機能が異なる「DG-NV200/1L」「DG-NV200V1M」「DG-NV200/2M」)については、IP監視システムの設置・構築の容易性を高めるための新機能をアピールした。ネットワークにカメラとレコーダーを接続したのち、モニター画面上で項目を選ぶだけで自動設定が行われる「らくらく設定」機能を搭載。①レコーダーがカメラを自動検出し、②IPアドレスを自動付与、③映像の記録レートと画質を数段階から選ぶ、という3つの手順でシステム設定が完了する。一般的な監視システムならば、5分程度で十分という。

「ネットワークカメラは高い」という壁を取り払うことで監視システムをIP化し、新たな用途開拓、アプリケーションの開発につなげていく

PSNでは今後、これら新製品の特長を武器に、「アナログ監視よりも安いIP監視」を積極的に提案して、監視システム市場におけるさらなるIP化推進に取り組む。また、いわゆる監視のみならず、人数カウントや人物の性別・年齢判定などのインテリジェント機能を拡張し、マーケティングへの活用も広めていきたい考えだ。

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