IDC Japanは2010年10月4日、国内企業VoIP機器市場予測を発表した。2010年上半期の同市場規模は、対前年同期比3.4%減の466億4200万円となったものの、対前年比10.7%減の大幅なマイナスだった2009年からは回復傾向にあることが分かったという。
カテゴリー別ではIPビジネスホンシステムの回復が顕著で、2009年は対前年比16.4%減だったが、2010年上半期は対前年同期比0.6%減まで下げ止まった。IDCでは、内線ポート数が小容量で価格が比較的安価なため、上位機種の中容量以上のIP-PBX市場を侵食した結果と見ている。
2010年上半期のユーザー支出ベースのベンダーランキングでは、NECが首位を守り、次いで日立製作所、富士通、OKIネットワークスが続いており、2009年とほぼ変化なく推移しているという。
同市場の今後については、2010年通年では3.0%減となるものの、経済状況の回復に従いリプレイス需要が増加し、2011年にはプラス成長に転じる見通し。この結果、2014年には市場規模は923億3200万円に回復し、2009年~2014年の年間平均成長率は1.9%で推移するとIDCは予測している。
また、同社ソフトウェア&セキュリティ リサーチマネージャーの眞鍋敬氏は、「国内企業VoIP機器市場は成熟市場であり、ベンダーや販売チャネルは生き残りを賭けた戦略実行が急務である。VoIP機器を単なる音声ネットワーク機器としてではなく、アプリケーション活用のためのインフラとして提案し、他のIT機器と一元管理可能な仕組みを提供することなどが今後の成功要因となる」と分析している。
国内企業VoIP機器市場 エンドユーザー売上額予測(2007年~2014年) |