IoT機器を踏み台にしたサイバー攻撃が深刻化する事態に対処するため、総務省とNICT(情報通信研究機構)は、パスワード設定に不備のあるIoT機器を調査し、利用者への注意喚起を行う取り組み「NOTICE(National Operation Towards IoT Clean Environment)」を2月20日から開始する。それに先立ち、2月13日、総務省でキックオフイベントを開催した。
IoT機器を狙ったサイバー攻撃が約5.7倍に佐藤総務副大臣、徳田NICT理事長、高橋KDDI社長の挨拶のあと、本プロジェクトを所管する、総務省の竹内サイバーセキュリティ統括官が、取り組みの方向性を述べた。
竹内氏は、サイバー攻撃の中心が従来のサーバー、パソコンから明らかにIoT機器に移っており、2017年比では全体で2.8倍なのに、IoT機器は約5.7倍になっているとデータを示し、セキュリティ対策の遅れているIoT機器が重大攻撃の踏み台にされているケースが頻発していると述べた。
そして、パスワード設定などに不備のあるIoT機器の調査を行い、利用者への注意喚起を行う取り組みNOTICEを、電気通信事業者の協力で行うとした。インターネットサービスプロバイダー23社が参加し、NISC、警察庁、経済産業省などと連携し、広く進めていく。来年の東京オリンピック・パラリンピックをはじめ国家的な重要イベントを控え、広く国民にも呼びかけていく。