――製品開発のコンセプトとして「ソフトウェア・ドリブン・ネットワーク」を掲げています。ソフトウェアに注力する姿勢は他のネットワークベンダーとも共通していますが、具体的にユーザー企業のどのような課題にフォーカスしているのですか。
ブルックマン ネットワークを流れるデータは急増しており、多くの企業は、少ない人数と限られた予算でこれに対応している状況です。IoTの普及は、これをさらに困難なものにするでしょう。
エクストリームはこの問題を解消し、お客様がよりよいビジネスの成果を生み出せるように支援します。そのために、アナリティクス技術等を活用したネットワーク自動化ソリューションを展開しています。
米Extreme Networks 最高技術責任者(CTO)のエリック・ブルックマン氏(左)と、
エクストリーム ネットワークス 執行役員社長の大野欽司氏
アナリティクス・自動化は不可欠――今年6月に市場投入した「Extreme Smart OmniEdge」について教えてください。
ブルックマン 現在の企業のネットワークは、“エッジ”の複雑性が増しています。ここに多くの問題があります。特にWi-Fiの管理は難しく、今後はIoTデバイスの増加によってネットワークエッジのサポート/メンテナンス負荷はますます増大します。また、様々なデバイスがネットワークに接続するため、セキュリティリスクも高まります。
IT予算が縮小されていくなかで、これを解決するには、アナリティクス技術や自動化が不可欠です。
Smart OmniEdgeは「Extreme AI」と呼ぶAI/機械学習技術などを用いて、このエッジの複雑性を簡素化するソリューションです。複数のソフトウェア製品で構成されており、有線/無線LANの統合管理、運用自動化を実現します。
――どのような形で導入できるのですか。
ブルックマン そこが競合他社との大きな違いです。
お客様は、ネットワーク管理の形態を、オンプレミスまたはSaaSモデルの両方から選択できます。Smart OmniEdgeのソフトウェア群を搭載した「ExtremeCloudアプライアンス」を自社内に設置して運用することも、その機能をSaaSとして利用することも可能です。
どちらのモデルでも、管理用のUI(ユーザーインターフェース)とワークフローは同じですので、例えばオンプレミス型で管理していたネットワークを明日からSaaS型の管理に変えるといったことも難しくありません。また、SaaSモデルを使って、我々のパートナーであるSIerが、お客様企業のネットワークを管理するマネージドサービスを提供することも可能です。
SaaSモデルは、数千拠点を管理する大手流通小売業や、非常に多くのデバイスが集まる高密度環境での導入実績があり、安定的に利用することができます。