“本格的CTIをもっと身近に”―― OKIがSaaS型コールセンター「CTstage SaaS」を発売

コールセンターシステム「CTstage 5i」を販売するOKIネットワークスが、SaaS型コールセンターサービス「CTstage SaaS」を発表した。成長著しい小規模市場、さらに既存の中大容量の顧客企業に対しても、低コストにCTIが導入・運用できる新たな選択肢を提供する。

「システム運用代行」を標準サービスで

さて、CTstage SaaSは前述の通り、イニシャルコストの低減、インハウス型とは異なる選択肢の提供を目的としたものだが、同社・ネットワークワンストップセンタの大槻重雄シニアコンサルタントはそれに加えて、「CTIインフラベンダーであるOKIだからこそできる付加価値を提供したい」と語る。競合ベンダーにはSaaS型のコールセンターサービスのみを提供するケースも多いが、96年の市場参入以来、インハウス型のコールセンターシステムを構築してきた経験と実績をベースに「安心して使えるという付加価値を持ったサービスを提供する」というのが狙いだ。

具体的には、コールセンターシステムの機能だけでなく、システムの運用代行サービスを基本サービスとして提供する。通信キャリアとの契約や支払い、データバックアップ、各種パッチの投入などはもちろん、コールセンターの運用においては、頻繁にシステム変更作業も発生する。オペレーターおよびオペレーターグループの登録・変更、回線情報変更といった運用にまつわる作業をOKIネットワークスが代行。保守サービスと合わせ、OKIネットワークスがシステムの運用を預かることで「お客様は本業に専念していただける」(大槻氏)。

コールセンターシステムの運用をOKIが代行することで、ユーザー企業は本業に専念することができる

こうした運用代行はオプションサービスとして提供しているベンダーがほとんどという。OKIネットワークスはこれを標準提供することで、イニシャルコスト削減だけでないサービス化のメリットを訴求していきたい考えだ。

サービスの機能については、IP-PBX、ACD、CTI、レポート統計、管理、障害児のPBX切り替えを標準機能とするほか、オプションでフロントアプリケーション「CC Navi for CTstage」、通話録音、IVRの機能を選択して利用できる。標準機能の利用は前述した通り1席当たり月額25000円~で、オプション機能については、例えば通話録音機能が5000円程度という。なお、IVR機能はカスタマイズにも対応する。

用途に応じて選択できるよう、基本メニューとオプションメニューを用意する

もう1つの特徴として、インハウス型のCTstageと同じ機能、操作性をそのままサービス化している点が挙げられる。既存のCTstageユーザーもスムーズに移行が可能で、既存の業務アプリケーションもCTstage SaaSでそのまま利用可能だ。

「繁忙期だけ席数増強」―― 柔軟なシステム構成も可能に

このようにCTstage SaaSは、イニシャルコストを抑えてコールセンターを構築したい企業、並びに、インハウス型からサービス型への転換を図りたい既存ユーザーのどちらをもターゲットとした新サービスだ。機能面でもCTstage 5iをベースとしているため、小規模コールセンターだけでなく数百席の大規模コールセンターにも対応可能だ。インハウス型からサービス型へと移行することにより、ユーザー企業にとっては、例えば繁忙期にのみ席数を拡大するといった、これまでは不可能だった柔軟なコールセンター運営も可能になる。

「これまで順調に成長してきたCTstageだが、そのままでは市場の流れから取り残されるという危機感があった」と、今回のサービス事業参入の背景を語った坪井氏。小規模市場の急成長、サービス化へのニーズの高まりといった市場の変化をタイムリーに捉えて発表したCTstage SaaSは、同社のコールセンター向け事業の成長戦略において非常に重要な一石と言えそうだ。

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